法人向けの電力会社は?
主要7社の特徴や料金を徹底比較!

法人向けの電力会社は?<br>主要7社の特徴や料金を徹底比較!

どのような企業でも、「少しでも経費や維持費をコストダウンしたい」とお考えになるでしょう。コストダウンを図るにはさまざまな要素ややり方がありますが、特に毎月必ず発生する「電気代」を削減できれば大幅なコスト改善を図ることができます。

今回は、電力供給企業の特徴と料金プランを紹介し、電力会社を選定するうえでのポイントや注意点などご紹介します。

 

法人向け電力会社を徹底比較!

ここでは法人向けの電力会社を7つ紹介し、その特徴や料金を比較します。

 

東京電力エナジーパートナー

東京電力エナジーパートナーは、東京電力ホールディングスが所有している事業の一部です。東京電力ホールディングスは燃料・火力発電事業や一般送配電事業、再生エネルギー発電事業などを幅広く展開している企業です。東京電力エナジーパートナーはこのうち、小売電気事業を担っています。 

日本の電力消費量は世界第5位ですが、東京電力の販売電気量は日本全体の約3分の1にあたり、これはイタリア全体の販売電気量に相当します。 

また、首都圏の電力供給を担う東京電力は、世界トップクラスの安定性を維持しています。例えば、1件あたりの年間の事故停電時間は日本全体で見ると16分ですが、東京電力はわずか3分です。 

電気には法人向けと個人向けがありますが、東京電力エナジーパートナーはどちらもカバーしています。また、法人向け・個人向けどちらもプランが数多くあることが特徴です。 

法人向けにはビルや商店、百貨店、スーパーなどの顧客向けと、工場向けの2つのプランがあります。基本メニューとして、店舗・事業所向けの電気料金プランは全部で6つ、工場向けも6つのプランに分かれています。電気料金はそれぞれのプランや使用状況によって異なりますが、以下の計算式に基づいて算出されています。

基本料金:基本料金単価(税込)×契約電力×(185-力率)/100
電力量料金:電力量料金単価(税込)×使用電力量±燃料費調整額
合計:基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金

契約は1年ごとで行い、顧客側から連絡がなければ自動的に更新されます。

 

Looopでんき

Looopでんきは、個人向けはもとより、高圧・特別高圧電力を契約している法人向けの電力小売サービスを提供している企業です。従来よりもお得な料金で、「今まで通りの安心な電力をお届けする」ことをコンセプトに掲げています。Looopでんきでは創業以来、再生可能エネルギーの開発と普及に努めています。

また、特許を取得した独自の計算ロジックにより、電気の調達量を無駄なく最適化できるのはLooopでんきならではの強みです。Looopでんきの需給予測システムでは、過去の実績をデータ化して統計を出すことで、発電量と需要量を高い精度で予測することができます。これにより、電気の調達量を正確に把握できるようになり、低コストでの提供を実現しているのです。

電気料金は、1社ごとにシミュレーションして提案する形式です。シミュレーションには現在の契約内容や過去12ヶ月間の電力使用量データを提示する必要があり、通常1~2週間程度で見積もりの提案を受けることができます。 

既存設備をそのまま使用するため、基本的に設備などの費用負担はありません(※)。

なお、万が一電力供給が不足した場合は不足した分の電気料金はかからず、その料金はLooopでんきが負担します。 

契約期間は1年の自動更新になっており、解約して供給会社を変更する場合は、更新のタイミングの3か月以上前に連絡をする必要があります。 

ただし、契約期間中の解約で、「供給開始後1年未満である場合」「供給開始1年経過後、解約希望日の3か月前までに解約の申し出がない場合」には違約金が発生します。

(※)ごく稀にキュービクルへの通信ケーブル設置費用がかかるケースがあります

 

ENEOSでんき

ENEOSでんきは2003年より電気事業に参入し、そのたしかな実績から安心して利用できる供給会社です。主力の発電施設は全国30ヶ所以上にものぼり、安定的な電力供給を実現、そのほか、環境負荷の少ない天然ガスや、太陽光・風力などの再生可能エネルギーの活用にも取り組んでいます。

料金の計算方法は基本料金と従量料金、燃料調整費額、再生可能エネルギー発電促進賦課金の合計です。月々の燃料調整費額、再生エネルギー発電促進賦課金は国の制度で決まります。 

具体例として、関東地方で契約電力が10kWの事業所の場合、東京電力エナジーパートナー株式会社と契約するより年間約13,200円の差が出るケースもあるようです。 

詳しい料金やどの程度のコストダウンが図れるかについては、1社ごとに異なるので見積もりが必要となります。

 

エネット

エネットは、NTTアノードエナジー・東京ガス・大阪ガスの3社を出資元とした、新電力を提供している会社です。 

新電力とは地域の電力会社以外に、電気の供給事業に新規参入した小売業者を指します。電力の全面自由化により、すべての顧客に電力供給ができるようになりました。新電力の電気は、一般送配電力業者の送電網を使っています。そのため、万が一エネットの発電所が停止しても一般送配電力業者が不足分を補填するので、停電するリスクを回避することができます。したがって、エネットに切り替えた後も電気の「信頼性」と「品質」は維持されるのです。 

エネットは、全国にある10の電力会社エリアのさまざまな業種を対象としてサービスを展開しており、さらに今後も規模を拡大する予定です。

また、環境負荷の低い電源を中心に構成することで再生可能エネルギーの提供を積極的に行い、電気の低炭素化を進めています。 

さらに、エネットはICTを活用した付加価値サービスがあることが大きな特徴です。具体的なサービスについてご紹介します。

1つ目は、AIを活用した省エネルギーサービスです。電力資料量・気象情報・電気情報などさまざまなデータをAIが解析するサービスで、毎月の定期レポートで施設ごとの課題や省エネの進捗状況が確認できます。AIの活用で、さらなる電力コスト削減をサポートします。 

2つ目は、CO2排出量低減サービスです。再生可能エネルギーや証書の活用で顧客のCO2排出量低減できます。スピーディな再エネ調達・CO2削減で企業価値向上が期待できるでしょう。 

3つ目は、検診・料金計算代行サービスです。電力量の検診を自動化したり、ビルオーナーが行う検診や料金資産業務を代行してくれたりするサービスです。電気管理業務の悩みをサポートしてくれるため、安心して電気を使用できます。 

このように、省エネかつ実用的なサービスが充実していることがエネットの強みです。料金は使用状況に基づく見積もり方式になっています。

 

テプコカスタマーサービス

テプコカスタマーサービスは、関東・沖縄を除く法人向けの電力小売サービスを提供している企業です。東京電力グループであるため、電気の信頼性と品質を保ちつつ、リーズナブルな価格で利用できます。 

テプコカスタマーサービスの特徴は、Web上のお客様ページから現在利用している電気の量や過去の実績などを確認できる点です。また、「使用電力アラーム」などの便利な機能も搭載されています。さらに、電気設備の変更や改修、契約変更など契約後のアフターサービスも充実しています。

テプコカスタマーサービスに切り替える場合、基本的には費用や停電は発生しません。しかし、稀に計測器などの取り換え工事が必要なことがあり、その場合には費用が発生します。万一、工事が必要な場合でも原則として停電を伴わずに切り替えが行えます。 

テプコカスタマーサービスでは通常の電力のほか、希望により「グリーン電力(グリーン電力証書付き電力)」も選択できます。グリーン電力証書とは、自然エネルギーで作られた電気の環境価値を証書発行事業者が第三者機関の認証を得て発行するものです。 

グリーン電力証書が発行されるメリットは、環境への取り組みを対外的にPRでき、企業・組織のイメージの向上が図れることです。また、各種法令などによるCO2削減義務や認証の取得にも利用可能です。 

電気料金に関しては、1社ごとに見積もりをする必要があります。

 

F-Power

F-Powerは、自社発電と契約発電所の電力、電力市場を供給源にする電力会社です。市場・環境変動に強く、安定的な電力供給を強みとしており、過去には電力販売量で新電力1位になった実績もあります。また、企業と長期的な関係性を築くために、「安価」ではなく「適正価格」での電力提供にこだわっています。 

F-Powerの特徴は、電力価格と連動した「市場連動商品」や、電気代のブレをなくして顧客の年間計画を容易にする「完全固定商品」などがプランとして備わっているところです。これは、発電にかかわる燃料コストや為替の動きに注目することで産まれた新商品です。商品のどこにリスクがあり、どのようなリターンが期待できるかを明確にすることで、顧客自らがビジネスに沿った最適な電力の形を選択することができます。 

また、市場電力の活用と大手電力会社からの電力をうまく組み合わせることで、大規模な発電所を持たないからこそ実現できることを活かしながら、指標性のある適正価格を提供していきます。 

さらに、今後は原油や為替のマーケットを利用することで、顧客が自身にあった適正な電力の形を選べるような独自の商品開発も行っていく予定です。 

契約については、切り替えに必要な書類の記入と捺印の後、F-Powerから一般送配電事業者に手続きや申請を行う流れです。供給開始までには特別高圧・高圧で約2ヶ月となっていますが、施設によって必要な期間は前後します。 

電気料金は、1社ごとに見積もりをする必要があります。

 

丸紅新電力

丸紅新電力は、2002年に国内電気事業に参入した企業です。オフィスビル・倉庫・学校・レジャー施設などを対象に電力供給を行っていますが、2016年に電力小売業を「丸紅新電力株式会社」として家庭用電力の販売を開始しました。16年の実績から安定した電力を提供し、多用な電源・再生可能エネルギーへの取り組みをしています。 

また、日本だけでなく世界23ヶ国において、長期にわたって電力の安定的な供給体制を構築している実績もあります。丸紅電力の特徴として、電力供給運用全体のマネジメントができる豊富な人材と、多くのノウハウが備わっている点が挙げられます。近年では風力発電や天然ガス、火力発電など、再生エネルギーを活用した電力事業にも注力しています。2018年度における販売実績は、業務用と家庭用合わせて約260万kWにのぼり業界トップクラスの企業です。 

丸紅新電力の契約は使用する電力によって契約タイプが異なります。

特別高圧・高圧契約の場合は、使用されている電力量をもとに最適なプランを提案する見積もり式です。一方、低圧契約の場合は個人契約と同じ方式になります。 

大まかな契約の流れは、問い合わせ後に必要書類を用意し、現在の契約解除の手続きをします。その後、メーター交換を経て供給開始が始まります。手続きに必要な書類として、HPからダウンロードできる使用電力調査票や過去12ヶ月分の請求書の写し、電気量計算の内訳書などがあるため、申込の際はあらかじめ用意しておくようにしましょう。

 

電力会社を比較するときの注意点

7つの電力小売企業をご紹介してきましたが、具体的にどのようなポイントを見て比較すれば良いのでしょうか。ここでは、電力会社を比較する際の注意点を挙げます。

 

料金プランをよく確認する

電力会社の料金プランは各社に特徴があり、それぞれ料金は異なります。お得感の強いサービスを前面にアピールしている電力会社もありますが、よく確認せずに契約を進めると、かえって料金が高くなるケースもあるため注意が必要です。そのため、料金プランは慎重に確認するようにしましょう。 

料金については、電力会社のサイトにQ&Aが設置されている場合も多いので、疑問点や不明点を解消するために活用することをおすすめします。 

また、料金シミュレーションを行える電力会社もあります。簡単な質問に回答するだけで切り替え後の大まかな電気料金を算出することができるため、こちらも利用してみると良いでしょう。

 

サポート体制を確認する

電力会社のサポート体制も忘れずにチェックしましょう。電気を利用する上で、思わぬトラブルが発生することもあります。そうした際にサポート体制が充実していると、慌てずに落ち着いて対応することができます。口コミや比較サイトなどの情報も吟味しながら、信頼できる電力会社を探しましょう。 

サポート体制のチェック項目としては、受付ダイヤルは設定されているか、受付ダイヤルの対応時間は十分か、漏電の監視はされているか、定期的な点検が技術者によって行われているか、といった点が挙げられます。 

また、問い合わせた際の待ち時間や対応の内容もわかると、電力会社のサポート体制の品質も見えてきます。

 

まとめ

今回は、法人向け電力会社の主要7社の特徴や料金を比較しました。また、電力会社を比較する際の注意点についても併せてお伝えしました。 

電力会社が提案するサービスにはそれぞれ魅力があり、最適な電力会社は場合によって異なります。電力会社の選定で悩まれた際は、ぜひ参考にしてみてくださいね。