エレベーター保守7社を比較!
メーカー系・独立系どちらを選ぶべき?

エレベーター保守7社を比較!<br>メーカー系・独立系どちらを選ぶべき?

自動車が安全に走るために、法律に基づいた車検を行わなければならないのと同じように、ビルやマンションに設置されているエレベーターも法定点検が義務付けられています。 

エレベーターの保守・点検は1年ごとの検査と、1~3ヶ月ごとの定期点検に分かれています。この点検・保守はエレベーター専門技術者の手によって行われなければなりません。

エレベーター専門技術者を擁するエレベーター保守会社は複数存在し、メーカーに属する「メーカー系」とメーカーに属さない「独立系」に分類されます。また、メンテナンス契約も「POG契約」と「フルメンテナンス契約」に分かれるなど、エレベーター保守にまつわる契約は少し複雑です。 

そのため、現在契約しているエレベーター保守会社が自社に合っているかわからないというケースも多いのではないでしょうか?

今回はエレベーター保守に関する基礎知識から、日本国内のエレベーター保守7社についてご紹介します。エレベーターの安全性向上や運用コスト見直しの参考にぜひご活用ください。

 

エレベーター保守の基本知識

エレベーター保守は、利用者の安全のために行われます。法律に基づき定期的に検査・点検が行われ、「定期検査」と「保守点検」に分けられます。 

定期検査は、建築基準法12条3項の規定に基づいた点検が義務付けられています。稼働するすべてのエレベーターは年に1回行われる定期検査に合格しなければなりません。 

「定期検査報告済証」が提示されているエレベーターは、建築基準法に基づき年1回の定期検査に合格・報告を実施していることを示しています。また、利用者に「安心」「安全」「信頼」を与える役割もあり、一般的にエレベーター内の操作盤上部などの見えやすい場所に貼り付けられていることが多いです。 

保守点検も建築基準法で定められた点検で、エレベーターに異常がないか1ヶ月に1回の頻度で点検を行います。保守点検では、建築基準法8条「維持保持」の遵守を目的とされており、エレベーターの「性能維持」と「安全保持」が保たれているか確認します。

性能維持の面では、日々エレベーターを使用することで劣化・摩耗する部品によってエレベーターの性能が低下していないかを点検します。

安全保持の面ではその名の通り、エレベーターを安全に利用できるように保たれているかの点検です。エレベーターに不具合があると最悪の場合、人命に関わる大きな事故が起こる恐れがあります。電気系統の故障による「閉じ込め事故」や、ブレーキ制御の故障による「段差発生・転倒事故」などがそのような大きな事故一例です。

こうした利用者の安全を脅かすような事態を未然に防ぐために、定期的な保守点検が必要とされています。

 

エレベーター保守の契約形態

エレベーターの保守・メンテナンス契約はエレベーター保守会社と契約を交わし実施されます。エレベーター保守・メンテナンスの契約形態は、「POG契約」と「フルメンテナンス契約」の2つに大別されます。両者の契約の違いを簡単に説明すると、メンテナンス費用に「部品代金・修理費用」を含むかどうかです。以下で詳しくご説明します。

 

POG契約

POG契約のPOGは「Parts(パーツ)、Oil(オイル)、Grease(グリス)」のことを表しており、その名の通りパーツ・オイル・グリスの点検・給油の基本的な点検に項目を絞ったメンテナンス契約です。POG契約は点検の結果、不具合・故障があり、交換・修理作業が必要なときにのみメンテナンス費用に加えて交換・修理費用が必要となる契約形態です。

契約内容に部品代金・修理費用が含まれていない分、エレベーター保守・メンテナンスにかかる費用を最低限におさえられることが大きな特徴のひとつです。また、メンテナンス費用と交換部品・修理費用の費用を分けて管理することができるため、エレベーター保守にかかった費用を明確にすることにも役立ちます。

さらに、「フルメンテナンス契約」よりも保守にかかる費用が安価なために、品質の面で劣ると思われがちのPOG契約ですが、全くそのようなことはありません。エレベーターの保守点検における各機構の点検・調整は建築基準法に沿った内容で行われるため、フルメンテナンス契約の点検と何ら変わりはありません。

 

フルメンテナンス契約

フルメンテナンス契約は、メンテナンス費用の中に部品代金・交換費用を含む契約です。POG契約のようにエレベーター保守・メンテナンスを行うところまでは同じですが、不具合・故障があった場合の部品の交換・修理費用が別途発生することはありません。

また、エレベーター保守のなかでも高額工事となる「ロープ交換」の費用も、フルメンテナンス契約ではメンテナンス費用内に含まれます。メンテナスにかかる費用がほぼ一定なため、一時的に高額な修理・交換費用が必要ないことがフルメンテナンス契約のメリットです。 

ただし、フルメンテナンス契約のメンテナンス費用はPOG契約と比べたとき、約2割~4割ほど割高になることが多いようです。

 

エレベーター保守会社の種類

エレベーター保守の契約では、POG契約とフルメンテナンス契約のほかに、エレベーター保守を委託する会社の種類が「メーカー系」と「独立系」に大きく分かれていることも考慮しなければなりません。エレベーター保守の品質に関しては、ほとんど差がない両者ですが、メンテナンス費用の面に関しては大きな違いがあります。

 

メーカー系

メーカー系とは、三菱・東芝・日立・オーチス・フジテックの5大エレベーターメーカーを母体とするメンテナンス会社のことです。エレベーター保守・メンテナンス市場では、メーカー系が市場の約90%以上を占めています。 

メーカーが市場で大きなシェアを得ている大きな理由は「安心感」と「ブランド力」です。メーカー系の強みはエレベーターが実用化されてから今日に至るまで、エレベーター保守・メンテナンスを行ってきたという長い歴史からくる信頼と実績です。 

さらに、エレベーターメーカーならではのノウハウの蓄積や、日々更新される情報をもとにした最高品質のメンテナンスが約束されています。そのため、メーカー系は官公庁の施設をはじめ、ビルやマンションなどで採用されています。

メーカー系にエレベーターの保守・メンテナンスを委託するデメリットは、メンテナンス費用が高いという点です。メーカー系のメンテナンス費用にはエレベーターの開発・製造費用の一部が加算されています。そのメンテナンス費用の割高感は大きく、次にご紹介する独立系と比較すると年間で数十~数百万円ものメンテナンス費用に差が出るケースもあるようです。

 

独立系

独立系とは、先述の5大メーカーに属していないエレベーター保守会社のことです。独立系の特徴は、メーカー系が基本的に自社製品のみメンテナンスを受け付けるのに対して、独立系はメーカーを問わずに保守点検を委託できる点です。

多くの独立系はメーカー系との保守・メンテナンス費用の価格競争によって顧客を獲得しています。したがって、独立系の保守・メンテナンス費用は、メーカー系よりも安くなる傾向にあります。 

また、メーカーがメンテナンス費用に上乗せしているエレベーターの開発・製造コストも独立系にはないため、メンテナンス費用を抑えることができます。 

独立系のデメリットは、メーカー系とは反対に技術的な面での安心感やブランド力には一歩及ばない点です。しかし、エレベーターに不具合・故障が発生した際にはメーカーから正規部品が供給されるため、エレベーターの安全度が落ちるということはありません。

 

エレベーター保守会社を種類別に比較!

ここでは、国内でエレベーター保守を取り扱う主要7社についてご紹介します。

 

<メーカー系>エレベーター保守会社の比較

まず、メーカー系のエレベーター保守会社5社をご紹介します。

 

三菱電機ビルテクノサービス

エレベーター業界のリーディングカンパニーである三菱電機ビルテクノサービスは、全国8ヶ所の情報センター、約280ヶ所のサービス拠点に約6,000人の技術者の保守・メンテナンスの体制を構築しています。国内に設置されているエレベーターの約1/3、およそ20万台以上のエレベーターの保守・メンテナンスを対応、メーカー子会社だからこその総合的なサービス品質の高さが最大の特徴です。 

先進の遠隔監視システムを備えるエレベーターは、情報センターからオンラインで24時間・365日遠隔操作が可能になっています。さらには、監視サービス付き点検契約では、故障や異常をシステムが感知すると、情報センターに自動通報が行われ、スタッフが迅速な対応をしてくれます。

 

東芝エレベータ

東芝エレベータは、研究・開発から保守・メンテナンス、さらに改修・リニューアルまでを一貫体制で行う総合力が大きな特徴です。自社エレベーターを完璧に知り尽くしているからこそ提供できるメンテナンスは、安心感があります。

エレベーターの緊急時対応は、全国にあるネットワークを最大限に活かして、迅速・確実に専門技術者を出動させてエレベーターを復旧させます。 

この対応を可能にしているのが、電話回線を通じて24時間365日体制の遠隔監視メンテナンスです。サービス情報センターからの指令により、エレベーターを止めることなく、エレベーターが動いている状態でも、遠隔で緻密なメンテナンスを行うことができます。

 

日立ビルシステム

日立ビルシステムがメンテナンスで最大の目的としているが、「ユーザーがいつでも安心して快適にエレベーターを使用できること」です。そのために重視している3つの柱が「技術」「人」「インフラ」です。技術は最先端機器による24時間365日の遠隔メンテナンスを、人は熟練の専門技術者を、インフラはデータを蓄積・解析・活用するための強力な体制のことを表しています。 

日立ビルシステム独自のシステム「スーパーヘリオスメンテナンス」は、エレベーターの現状のデータと蓄積された過去の稼働データを解析。将来のエレベーターのコンディションを予測して、必要なメンテナンスを最適なタイミングで実施することを可能にしています。

 

オーチス

世界中で約200万台近くのエレベーターの保守メンテナンスを行うオーチスは、業界第1位のサービスプロバイダーです。 

オーチスは安全な落下防止付きの昇降機を発明し、安全なエレベーター業界そのものを作り上げました。業界最大規模のサービスエンジニアが日本はもちろんのこと、世界各地に在籍しています。

 

フジテック

フジテックは自社エレベーターだからこそ提供できる、徹底した品質管理と適切なメンテナンスのもと、暮らしのなかの「安全な移動」を日々実現しています。 

備え付けられたエレベーターは24時間365日体制で見守られ続け、故障に至る前の予兆や変調を捉えます。さらに、リモート自動点検機能を備えるエレベーターは、自動で電磁ブレーキなどの動作状態を自己診断する機能を備えています。 

また、ウエブレポート機能を使えばエレベーターの運用状況をグラフ化。最長で過去3年分のデータを検索閲覧することができ、月々の報告書の作成等に役立てることができます。

 

<独立系>エレベーター保守会社の比較

次に、独立系のエレベーター保守会社2社をご紹介します。

 

SEC

SECエレベーターは、「保守台数」「拠点数」「有資格者数」で独立系No.1の実績を持っています。50年以上の歴史を持ち、国内で約5万台以上のエレベーターの保守・メンテナンスの実績を誇ります。 

徹底した社員教育で鍛えられたエキスパートのメンテナンススタッフが、全国のエレベーターを点検。全国の拠点数は1,500以上、主要エリアに緊急監視センターが設置され、地域ごとに個別に対応することを可能としています。 

そして、国土交通省が定める国家資格「昇降機等検査員」が300名以上在籍しており、これは独立系エレベーター保守企業でトップの在籍数です。 

また、50年の歴史で蓄積されたノウハウから、旧型から最新式までさまざまなエレベーターに対応する技術力があります。

 

JES

JESは豊富な保守実績を活かし、国内主要メーカーの各機種に対応する高い技術力を持っているメンテナンス企業です。メーカーごとにエラーコードの解析や調整基準、部品交換基準などさまざまな違いが存在していますが、JESは蓄積された多くの保守実績から、確実なメンテナンスが可能です。

また、独立系では唯一となるリモート遠隔点検サービス「PRIME」を導入しており、リモートでエレベーターの運転状況やコンディションを把握できます。 

PRIMEは故障の予兆をいち早く察知し、障害が発生する前に対応が可能です。これにより、エレベーター点検時の停止時間を大幅に短縮しています。

 

まとめ

エレベーターを利用する人々の安全のためには欠かすことのできない、エレベーター保守についてご紹介しました。

エレベーターのメンテナスにかかる費用は、契約形態や保守会社次第で大幅に削減できる可能性があります。もし、エレベーター保守のコストを見直したいという方は、コスト改善専門のコンサルタントへご相談されることをおすすめします。