電気設備の保守点検サービスを徹底比較!コスト削減方法についても解説

電気設備の保守点検サービスを徹底比較!コスト削減方法についても解説

工場やオフィスビル、病院、学校、商業施設などに、発電設備や高圧受変電設備(「キュービクル」など)を設置している場合、電気事業法に基づいて、安全性確保のために定期的に保安点検を実施しなければなりません。

 

なお、キュービクルとは、高圧で受電するのに必要な機器一式を「金属製の箱」に収めたものです。「立方体(Cube)」に近い形状をしていることから、「キュービクル(Cubicle)」と呼ばれています。

 

発電設備やキュービクルを設置している企業は、電気事業法の規定により、原則として「電気主任技術者」を選任しなければなりませんが、自社で雇用するのが困難な場合もあるでしょう。その場合は、「電気保安法人」としての認可を受けた業者と委託契約を結んで、保守点検を実施してもらう必要があります。

 

本記事では、さまざまな施設を管理している方に向けて、電気設備の保守点検サービスを比較する際のポイントを解説したうえで、保守点検コストの削減方法についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.電気設備の保守点検サービスの概要

電気設備の保守点検は、原則として月に1回(または2ヵ月に1回)実施する「月次点検」と、年に1回以上実施する「年次点検」に分けられることを覚えておきましょう。それぞれについて、詳しく説明します。

1.1月次点検の内容

以下は、月次点検の内容です。

 

  • 温度測定:「変圧器」「コンデンサ」「開閉器」などの温度を測定(機器の異常や絶縁の劣化が発生していないことを確認)
  • 漏洩電流測定:変圧器接地線からの漏洩電流を測定(負荷の絶縁状態を確認し、感電や停電を未然に防ぐ)
  • 外観点検:目視によって各機器の異常(接続部分の劣化やコンデンサの膨張など)の有無を点検し、異音や異臭についてもチェック

 

これらの点検を月に1回(条件を満たした場合は2ヵ月に1回)実施することにより、電気設備の安全が保たれます。

1.2年次点検の内容

以下は、年次点検の内容です。

 

  • 絶縁抵抗測定:感電や地絡事故などを発生させないためには電路や電線が正常に大地や電線間と絶縁されている必要があるため、電路や電線の絶縁抵抗値が法定基準値以上に確保されているかどうかを測定
  • 接地抵抗測定:漏電事故や感電事故を引き起こす危険な電流を大地に放出させる役割がある「接地線」の抵抗値が法定基準値以下に収まっているかどうかを測定
  • 保護継電器試験:各種機器を用いて正常に保護継電器が動作するかを測定(保護継電器とは、電力系統や電気機器に事故が発生した際、その事故を検出し、事故範囲が広がらないように故障区間を切り離す装置のこと)

 

年に1回以上、上記内容を、停電させたうえで実施することになります。

2.電気設備の保守点検サービス業者を比較する際のポイント

各地域に保守点検サービスを実施している業者が多数存在しているため、経営者や施設管理の担当者の中には「どの業者に依頼すれば良いのか分からない」とお悩みの方がいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、業者を比較する際に考慮すべきポイントをご紹介します。

 

まず、電気設備の保守点検サービス業者の組織形態は、「一般財団法人」と「株式会社」の2種類に大別されることを認識しておきましょう。

 

具体的には、「一般財団法人〇〇電気保安協会」という名称の団体(「一般財団法人関東電気保安協会」など、北海道から沖縄まで合計10団体)が各地域に存在し、保守点検サービスを実施しているほか、「株式会社」という組織形態で保守点検サービスを展開している業者も多数存在します。

 

委託先の選定にあたっては、必ず「複数の業者」に見積りを出してもらって比較しましょう。定期点検だけではなく、「突然、電気設備に異常が発生した」という場合でも、24時間365日体制で対応してもらえるかどうかという点もチェックしてください。

 

また、「電気保安法人」としての認可を受けているかどうかを、経済産業省の「産業保安監督部」の公式サイトで確認することも大切です。

3.おすすめの電気設備保守点検サービス業者

おすすめの電気設備保守点検サービス業者は、「電気保安協会」「日本テクノ株式会社」「株式会社エナジーO&M」の3つです。各業者について、詳しくご紹介します。

3.1電気保安協会

上述したように、全国に「〇〇電気保安協会」(〇〇は地域名)という名称の一般財団法人(合計10団体)が存在し、各地域で電気設備の保守点検サービスを提供していることを覚えておきましょう。

 

以下、「一般財団法人関東電気保安協会」の法人向け電気設備保守点検サービスの内容について、詳しく説明します。

 

関東電気保安協会と契約すれば、電気主任技術者を自社で雇用しなくても、電気設備の保守点検業務を一任でき、経済産業大臣に届け出ることが義務付けられている「保安規程」の作成についても、契約書を取り交わす際に手伝ってもらうことが可能です。

 

なお、「社内に、電気主任技術者がいる」という場合は、「巡視点検や測定、試験などの業務をスポットで手伝ってもらう」という利用方法もお選びいただけます。

 

関東全域40数ヵ所に拠点を有し、2千数百名の職員が24時間365日、万全の体制で迅速にサポートをしてくれるので、契約を検討してはいかがでしょうか。

3.2日本テクノ株式会社

2003年12月31日までは、国が指定した法人(または個人)でなければ電気設備の保守点検サービスを提供できない規制(電気設備保安管理業務の指定法人制度)が存在しました。

 

しかし、2004年1月1日から、一定の要件を満たせば「電気保安法人」として認められ、電気設備の保守点検サービスを提供できるようになり、日本テクノは電気保安管理の民間への市場開放に先鞭をつけたパイオニアとして業界をリードし続けています。

 

2022年現在、日本テクノ株式会社は日本全国に67拠点を有しており、電気保安管理の受託件数は民間企業(株式会社)の中でNo.1です。

 

独自に開発した主装置「ES SYSTEM」でキュービクルの稼働状況を24時間監視しており、全国1,200名以上の電気管理技術者、全国1,700社以上の協力工事会社と連携した緊急対応ネットワーク「OASIS」を駆使して、停電を検出した際に迅速に駆け付けてくれるので安心できます。

 

また、従来は紙に手書きしていた電気保安の「点検報告書」を電子化した「電気点検簿システム」を導入しており、タブレット端末で入力してPDFで保管する仕組みが構築されていることも魅力といえるでしょう。

 

ちなみに、「デマンド閲覧サービス」を利用すれば、前日までの電力の使用状況が30分単位でグラフ表示され、省エネ活動の成果を「見える化」できます。コスト削減に役立つので、ぜひ契約をご検討ください。

3.3株式会社エナジーO&M

株式会社エナジーO&Mは、日本全国(北海道から九州まで60施設以上)で、再生可能エネルギー発電設備(太陽光発電設備、風力発電設備、小水力発電設備、バイオマス発電設備)のO&M(オペレーション&メンテナンス)業務を担っている会社であり、株式会社関電工のグループ企業です。

 

なお、特に「太陽光発電設備」や「風力発電設備」の保守メンテナンス業務を数多く受託しています。経済産業省への報告を支援してくれたり、メーカーとの協議・交渉などの代行もしてくれたりするので、再生可能エネルギー発電設備を設置している、あるいは、これから設置することを検討しているのであれば、株式会社エナジーO&Mと契約してはいかがでしょうか。

4.電気設備の保守点検コストを削減する方法

定期的に発生する電気設備の保守点検コストは大きな負担ですが、さまざまな方法でコストを削減することが可能です。

 

上述したように、キュービクルの保安点検(月次点検)は、通常、「月に1回」の頻度で実施しなければなりません。ただし、「絶縁監視装置」が付けられている場合、安全性が向上するため、保安点検の実施頻度を「隔月」(2ヵ月に1回)にすることが認められ、点検コストを低減できます。

 

また、間に複数の業者(ビル管理会社など)が介在している場合は、直接、保安点検サービス業者と契約を締結することも、コスト削減に有効です。そのほか、省エネサービス(デマンドコントロールなど)も提供している業者に委託すれば、トータルでコストを削減できることを覚えておきましょう。

5.電気設備保守点検サービスの比較のまとめ

電気設備の設置者には、保守点検を行う義務が課されます。「電気主任技術者」を自社で雇用・選任して保守点検を実施させることも可能ですが、困難な場合は「電気保安法人」としての認可を受けた業者と委託契約を結んで、保守点検を実施してもらいましょう。

 

法律で定められている義務なので、「保守点検をしない」という選択肢はありません。しかし、1ヵ月(または2ヵ月)に1回の月次点検と、年に1回の年次点検のコストを「少しでも削減できないだろうか」とお考えの経営者も多いのではないでしょうか。

 

コスト削減には、「キュービクルに絶縁監視装置を付けて、月次点検の頻度を減らす」「中間業者を挟まず、直接、電気設備保守点検サービス業者と契約する」「省エネサービスを提供している業者に委託して、トータルでコストを低減する」といった方法が有効です。

 

本記事では、全国展開している電気設備保守点検サービス業者を3つご紹介しましたが、各地域でサービスを提供している業者は、他にも多数存在します。経済産業省の「産業保安監督部」の公式サイトに、各地域の電気保安法人の一覧が掲載されているので、複数の業者に見積りを出してもらって料金やサービス内容を比較したうえで、自社に適した業者をお選びください。