「クラウドサーバー」とは?法人向けのサービスを徹底比較!

「クラウドサーバー」とは?法人向けのサービスを徹底比較!

日本企業の多くは自社でサーバーを運用してきましたが、ここ数年、「クラウドサーバー」を利用するケースが増加しています。

ところで、「ハッキングなどのリスクを小さくするため、社内でサーバーを運用するべき」とお考えのシステム担当者がいらっしゃるかもしれません。しかし、社内にサーバーを置いていても、適切な管理が行われない場合、情報漏洩などの問題が起こるリスクがあることを認識しておきましょう。

「社内でサーバーを運用するよりも、クラウドサーバーを利用する方が危険」とは限りません。クラウドサーバーは様々なセキュリティ対策が講じられているので、情報セキュリティに関する専門知識を有する人材がいない企業の場合は、自社でサーバーを管理・運用するよりも安全・安心です。

本記事では、法人向けクラウドサーバーの導入を検討している企業に向けて、「クラウドサーバーとはどのようなものなのか」や、利用するメリット、注意すべき点について解説した上で、おすすめのサービスを5つご紹介します。

「クラウドサーバー」とは?

クラウドサーバーとは、インターネットを介してサーバーの機能を利用できるサービスのこと。サーバーを社内に設置したり、保守管理したりする手間がかかりません。民間企業だけではなく、アメリカや日本の政府もクラウドサーバーを利用しています。

なお、自社でサーバーを保有する形態は、「オンプレミス」と呼ばれます。オンプレミスのサーバーは保守管理に手間がかかり、「運用に関する専門知識を持つ人材が必要」「人件費などの負担が大きくなる」といった問題があるので、近年、クラウドサーバーに乗り換える企業が増加中です。

「レンタルサーバー」との違い

「クラウドサーバー」と似た用語として「レンタルサーバー」があります。両者の違いは、以下の通りです。

 

・レンタルサーバー:1台の物理的なサーバーを複数のユーザーで利用し、CPUやメモリを共有して使用するケースが多い

・クラウドサーバー:1台の物理的なサーバーをいくつかの仮想サーバーに分け、それぞれの仮想サーバー上のCPUやメモリをユーザーが専有して使用するケースが多い

 

仮想サーバーを専有でき、カスタマイズ性が高いことがクラウドサーバーの特長といえるでしょう。

クラウドサーバーを利用するメリット

オンプレミスでサーバーを運用する場合、ハードウェアの選定・購入、OSやセキュリティソフトの選定、継続的な保守管理などが必要となり、費用や人的コストが大きくなります。

クラウドサーバーを活用すれば、自社でサーバーを用意する必要がないため、導入・運用にかかるコストを低減できます。また、カスタマイズやスペックの変更が容易であるほか、ファイアウォールやDDoS攻撃対策、ログ管理などがしっかりしており、セキュリティの面でも安心・安全です。

このようなことから、日本政府も「オンプレミスではなく、クラウドを優先する」という原則(クラウド・バイ・デフォルト原則)を打ち出していることを覚えておきましょう。

クラウドサーバーを利用する際に注意すべき点

上述した通り、クラウドサーバーには様々なメリットがありますが、利用する際に注意しなければならない点もあります。

まず、「利用料金」についてですが、従量課金の場合、発生する料金の総額を事前に予測できないケースがあることにご注意ください。

例えば、Amazon EC2の場合、「サーバーの稼働時間」だけでなく、サーバーから転送された「データの量」によっても金額が左右されます。サーバー稼働時間は事前に決めることが可能ですが、どれくらいのデータの量がダウンロードされるのかを事前に予測するのは困難です。

また、クラウドサーバーの利用を開始しても、仮想サーバー単体では何もできないことを覚えておきましょう。社内に(オンプレミスで)サーバーを保有する場合と同様に、業務で利用できる状態にするためには、OSや各種ソフトウェアのインストールなどを仮想サーバー上で行わなければなりません。

そのほか、「ベンダーロックイン」のリスクにも注意する必要があります。あるクラウドサービス上で構築したシステムを、他のクラウドサービスやオンプレミスに移行するのに手間取るケースがあることに留意しつつ利用しましょう。

法人向けクラウドサーバーの比較

ここからは、代表的な法人向けクラウドサーバーを5つご紹介します。サービスの内容を比較して、自社に適したものをお選びください。

Amazon EC2

Amazon EC2は、Amazon社のクラウドサービスプラットフォーム「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」上で提供されているクラウドサーバーです。「トヨタ」「フォルクスワーゲン」「キャセイパシフィック航空」「セールスフォース」「Netflix」など、多数の企業がAmazon EC2を利用しています。

多種多様なインスタンスタイプ(CPU、メモリ、ストレージなどの組み合わせ)を提供し、十数種類のOS(Microsoft WindowsやAmazon Linux 2、Ubuntu、Red Hat Enterprise Linux、CentOS、SUSE、Debian など)をサポートしていることが、Amazon EC2の特長です。

また、セキュリティ面での信頼性も高く、日本政府やアメリカ政府は「ガバメントクラウド」としてAWSを選定しています。

Compute Engine

Compute Engineは、Google 社のクラウドサービスプラットフォーム「GCP(Google Cloud Platform)」上で提供されているクラウドサーバーであり、「Spotfy」「Twitter」「Paypal」などが利用しています。ちなみに、日本政府は、AWSのほかにGCPも「ガバメントクラウド」に選定しています。

Amazon EC2に比べるとCompute Engineが提供するインスタンスタイプの数は少ないものの、一般的な用途であれば網羅されています。Webサイトやアプリケーションをホストするなど、通常の使い方なら困ることはありません。

なお、「Confidential VMs」という機能によって処理中もデータを暗号化できるため、セキュリティの面で安心・安全です。パフォーマンスを犠牲にすることなく、データの機密性を完全に保持したまま、誰とでも共同作業を行えます。

Microsoft Azure仮想マシン

Microsoft Azure仮想マシンは、Microsoft社のクラウドサービスプラットフォーム「Microsoft Azure(アジュール)」上で提供されているクラウドサーバーです。Amazon EC2よりも後発であるものの、互角の機能・性能を有しています。

Microsoft社のクラウドサーバーですが、OSとしてWindowsだけではなく、Linux系(Ubuntuなど)を選択することも可能です。また、機密データの暗号化に対応しているほか、ネットワークトラフィックのセキュリティ対策も講じられています。

なお、使用したコンピューティング時間の分だけ秒単位で課金される仕組みであり、低コストです。「予算を抑えたい」とお考えの企業は利用をご検討ください。

SDPF クラウド/サーバー

「SDPF クラウド/サーバー」は、NTTコミュニケーションズ(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)が「SPDF(Smart Data Platform)」上で提供しているクラウドサーバーです。以前は、「EnterPrise Cloud」と呼称されていました。

なお、「SPDF」とは、企業内に点在するデータをシームレスに融合し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現させるためのプラットフォームです。

障害時はクラウド拠点間を閉域ネットワークで無料接続できるので、大規模な自然災害(地震など)が発生した状況でもサービスを提供し続ける必要がある企業は、ディザスターリカバリー対策やBCP(Business Continuity Plan)の一環として利用を検討してはいかがでしょうか。

ニフクラ

ニフクラは、富士通クラウドテクノロジーズ株式会社が提供しているクラウドサーバーです。

特長は、オンプレミスでVMware社のサーバー仮想化製品「VMware vSphere®」を利用している場合、スムーズにクラウドへの移行が可能なこと。OSやシステム構成、IPアドレスを変更する必要がありません。

料金プランは、従量制と月額制が用意されています。サーバーのタイプを比較し、自社に合った料金プランを選びましょう。

各サービスの特徴を把握して、自社に適したクラウドサーバーを導入しよう

クラウドサーバーを利用すれば、自社で物理的なサーバーの選定・購入・運用・管理を行うよりも、手間やコストを低減できます。また、セキュリティ対策も講じられているので、専門的な知識を有する人材が社内にいない場合は、オンプレミスよりも安全・安心です。

近年、日本やアメリカなど、世界各国の政府機関がクラウドサーバーを活用する時代になりました。民間企業でも、保守管理に多大なコストがかかるオンプレミスから、手間なく運用できるクラウドサーバーへの移行をご検討ください。

代表的な法人向けクラウドサーバーは、「Amazon EC2」「Compute Engine」「Microsoft Azure仮想マシン」「SDPF クラウド/サーバー」「ニフクラ」の5つです。それぞれ特徴が異なるので、サービスの内容や料金を比較した上で、自社に適したものを選びましょう。

本記事の内容が、法人向けクラウドサーバーの導入を検討している企業のお役に立つことができれば幸いです。