冊子印刷を依頼する前に確認すべきこととは?業者6社を徹底比較!

冊子印刷を依頼する前に確認すべきこととは?業者6社を徹底比較!

2020年9月末に成立した菅内閣において、「デジタル庁の新設」という政策が発表されました。従来は紙に記入する形で実施されていた国勢調査もPC入力が可能になるなど、ICT技術の進展、普及に伴って「紙による手続き」を減らそうという動きが国からも出ています。そのため、今後はますます紙資料の量が減っていくことが予想されますが、紙資料が減るとしても完全消滅するとは考えにくいでしょう。

そこで今回は、冊子の印刷を業者に依頼する際に注意するべき点についてまとめていきますので、ぜひ最後までお読みください。

 

冊子印刷の種類

冊子を分類する際は、「冊子の綴じ方」で分けることが一般的です。ここでは、どのような綴じ方があるのか、それぞれの綴じ方のメリットとデメリットについて解説していきます。

 

中綴じ(なかとじ)製本

見開き状態の紙を二つ折りにし、その折り目をホチキスや針金などで留める綴じ方を「中綴じ」と呼びます。紙にして16枚、60ページ前後までの比較的薄い冊子に向いた綴じ方です。主にパンフレットやカタログに用いられています。 

中綴じには、180度開いて読むことができる、安価に作成することができるなどのメリットがあります。一方、デメリットとしては、綴じ方の性質上厚くできないので薄い紙を用いる必要がある、強度で劣る、構造上背表紙に文字を入れることができない、といった点があります。

 

無線綴じ(むせんとじ)製本

本文と表紙をホットメルトと呼ばれる接着剤によって合わせ、表紙の紙で本文をくるむように製本することを「無線綴じ」といいます。接着剤といっても中綴じより強度があるといわれており、長期の保管が可能なものが出来あがります。 また、中綴じが難しいページ数の多い本も製本することが可能です。

無線綴じ製本は、強度があるため文庫本から、問題集、電話帳などのさまざまな本に使われています。最近では、従来使われていたEVA系ホットメルトよりも高性能で環境にやさしい、PUR系ホットメルトという接着剤も使われるようになりました。

無線綴じのデメリットとしては、本文の一端を糊付けしてしまうため本の中央部を完全に開くことができない点があります。そのため、中綴じと違って見開きで写真を載せるなどといった用途には不向きでしょう。

また、ある程度のページ数がないと接着剤をつける面積が不十分となり強度が不足するという懸念があります。

 

上製本(じょうせいほん)

表紙を本文より少し大きめの丈夫な紙で作り、本文と表紙を直接接着せず、背の部分に空洞が生まれるように製本したものを「上製本」と呼びます。一般には「ハードカバー」とも呼ばれています。 

背の部分の空洞のおかげで、無線綴じと違い簡単に180度広げて読むことができるため、強度も中綴じより高いです。保存性に優れている、表紙が厚いのでさまざまな加工が施せるといった理由から、アルバムなどの特別な思い入れのある本を作るときに用いられます。 

上製本のデメリットは、作りが複雑なので工程が増加し、作るのに時間とお金がかかってしまうことです。したがって、先に挙げたアルバムなどの長期保存したい冊子に利用するとよいでしょう。

 

冊子印刷業者を選ぶ前に…

印刷業者を選ぶ前に、必ず何を何のために冊子を印刷するのかを決めておきましょう。こちらの都合に対応してくれて早く仕上げてくれる業者が望ましいですが、早く仕上げてもらうには通常よりも費用がかかることが多いです。

また、納期を短くすると作業を急ぐことになり、そうなれば途中でサンプルを確認する余裕がなくなる、結果として手直しが必要になり追加の料金が発生するといった問題が生じる可能性が高まります。このように、全ての要望を満たせる冊子印刷というものは難しいため、業者に依頼する際には印刷する目的を考えて、優先条件を事前にしっかり決めておきましょう。 

値段と納期以外では、「不測の事態への対処能力」が印刷会社を選ぶうえで重要なファクターになります。「不測の事態には自分の力で対処できる」という人はその分安い業者に依頼し、自信のない方は突発的なトラブルへの対処能力の高い業者を選びましょう。 

「印刷会社の能力といわれても、どこを見て何を評価すればいいのか全く分からない」という人は、歴史と実績のある会社や口コミでの評判が高く信頼を獲得している業者がおすすめです。歴史と実績があるということは、印刷に伴うさまざまなトラブルに対処する能力があるという何よりの証拠になるでしょう。

 

◯◯な冊子印刷業者には注意!

さて、ここまでは「どのような印刷会社を選ぶべきか」という方向性から解説してきました。それでも印刷会社の選び方が難しいと感じてしまう方のために、ここでは「このような印刷会社は避けるべきである」という逆の視点から見てみましょう。

 

こまめに連絡が取れない

印刷業者というのは「印刷機を使って印刷」して「製本して冊子の形を整える」だけが仕事ではありません。どのようなものを印刷するかの企画、デザイン、複数あるデザイン案からの目的に合わせた絞り込み、校正、校了といった作業を経てようやく印刷の作業に移ります。そして、印刷後のアフターフォローも仕事の中に含まれます。 

長年の付き合いがあって阿吽の呼吸で要望を汲み取ってくれるような印刷会社が相手であれば、こまめに連絡を取りながら印刷を進める必要はないかもしれません。しかし、新しく仕事を依頼する印刷会社が相手であれば、こちらの希望を細かく伝えると同時に、印刷のプロである印刷会社の考えも取り入れて、意見をすり合わせたうえで制作に取り掛かる必要があります。したがって、細かい点について確認したくても連絡が取れない、連絡への対応が遅い会社は避けるべきです。 

また、こまめに連絡が取れないと出来上がった印刷物がイメージとかけ離れてしまうこともあるため、望み通りの印刷物に仕上げるためにもこまめな連絡は必須であると心得ておきましょう。

 

途中経過を確認させてくれない

印刷を発注する側は、常に途中経過を確認し、目的に見合った想定通りの印刷物が出来上がるのかをチェックする必要があります。例えば、紙が実際にどのような質感のものになるのかは、現物を見て触れてみないと分かりません。 

また、実際の原稿を印刷する際には色味のチェックが必須となります。なぜならディスプレイと印刷のインクでは色を作るメカニズムが全く異なるので「印刷したら原稿と全然違う色味になった」という事態が起こるのは珍しくないからです。 

PCのディスプレイはRGB(レッド・グリーン・ブルー)の3色の光を合成して色を作り出していますが、印刷ではCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色のインクを重ね塗りすることで色を作り出します。そのため、色味のチェックは必ず行う必要があります。 

さらに、同じ印刷と言っても一般家庭にあるプリンターと業務用の印刷機では印刷物の仕上がりに違いが生じます。そのため、印刷会社を選ぶ際には、しっかり途中で作品の仕上がり具合を確認させてくれる会社を選ぶ必要があります。途中経過の確認と訂正を織り込まずに作業を進めるようなスケジュールを提示する印刷会社は要注意です。

 

冊子印刷業者を比較検討!

さて、ここまでは印刷会社を選ぶうえでの一般的な注意事項をまとめました。ここからは実際の印刷会社についてどのような特徴・強みのある会社なのかを見ていきましょう。各社の特徴を整理することで、現代の大手の印刷会社はどこも印刷だけではなく、デザインや企画を通してマーケティングを行ってくれる会社でもあるということが分かってきます。 

したがって、印刷会社はただ「データを紙に印刷してくれればいい」という視点から選ぶべきではなく、付随するサービスまでも比較要素としておくようにしましょう。

 

凸版印刷

凸版印刷は印刷から始まった会社ですが、現在では印刷だけにとどまらず印刷物を用いたマーケティング、商品開発やプロデュースにおけるデザイン、企業のブランディングや集客といった広報などの分野に熱心に取り組んでいます。 

また、コンピューターの画像処理におけるカラーマネジメントや、さまざまな商品の特性に合わせた包装材のデザイン・加工などの技術開発にも熱心です。 

凸版印刷は、これらのさまざまな事業を印刷技術から発展した「印刷テクノロジー」の中に位置づけて売り出しています。

 

大日本印刷

大日本印刷は、現在では印刷技術を発展させてさまざまなビジネス分野に参入。印刷の技術を「企画・設計技術」「情報処理技術」「微細加工技術」「精密塗工技術」「後加工技術」の5つに分け、それぞれを発展させています。 

大日本印刷では、依頼元企業の印刷を通して達成したい目標に向けてマーケティング分析を行い、最適なメディアを選び、プロモーションの企画から実施後の効果の測定まで一貫して請け負っています。

 

佐川印刷

佐川印刷は、活版印刷からスタートした企業ですが、現在はオフセットや写真製版、DTP、POD(Print On Demand)など、意欲的に業態変革を行っている企業です。環境面への配慮から、愛媛県で初のグリーンプリンティング工場としての認定を受けています。

また、速乾印刷を実現して顧客の要望に応えられるように、LEDUV印刷機やオイルレスカラーデジタル印刷機を導入。専門スタッフがWordやPowerPointなどのデータを印刷用に変換し、最適な仕上がりにしてくれます。 

紙媒体への印刷だけでなく、旗やタペストリー、暖簾などの布への印刷も引き受けています。

 

共同印刷

共同印刷は、現在の本・漫画の出版市場の動向を踏まえて、多品種少量生産に向けた設備を備えていることや、印刷における色調を管理する「プリンティング・ディレクター」を専門に雇っていることが強みです。 

また、デザイン会社だけではなく編集プロダクションとも連携して書籍やムックの編集企画を提案しているので、本の印刷に強い会社といえるでしょう。 

さらに、贈る相手一人ひとりの属性に合わせたカタログやパンフレットを作成する、「セレクティブラッピング」の技術にも対応しています。

 

総合商研

総合商研は、自社を「販促支援企業」と謳っています。市場調査から始まってプロモーション、企画とそれに合わせた最適なメディアの選定、作品の制作印刷から事後の効果の測定まで全てを自社一貫体制で実施。印刷においても、企画から発送まで全てを自社で担っています。 

また、エコな印刷技術を採用したり、プライバシーマークを取得したりするなど環境や社会にも配慮しています。 

さらに、生活者の視点に立って多角的なセールスソリューションを安く、高品質で、短納期で提供できる点も強みとしており、他の大手の印刷会社にはない珍しい事業としては年賀状印刷を請け負っています。

 

福博印刷

福博印刷は、「より速く、より確実に」のコンセプトの下、印刷に先端技術を惜しみなく投入しています。コンピューターによる大量の紙の在庫管理から始まり、ロット規模の変動にフレキシブルに対応できる印刷機やさまざまな紙に対応できる印刷機、メーラー折機や宛名印字機に至るまで、高性能でさまざまな顧客の要望に応えられる機械を導入。そして、それらを24時間体制で稼働させています。 

また、機械を抱えるだけでなく、プランニング・企画・デザインの人材も抱えており、冊子からチラシ、DMなどのさまざまな形態の印刷依頼に対して自社一貫で対応しています。

 

まとめ

この記事では、冊子印刷の種類と専門の業者依頼するうえでの注意点、そして印刷業者6社の特徴をご紹介しました。 

「印刷」を依頼する際は、単に「データを紙に字や絵を刷る」ことを依頼するのではなく、「何のために」刷るのかという目的をはっきりさせることが大切です。 

したがって、「なぜ印刷をするのか」「その目的を達成するためにはどのようなものを印刷するのがベストなのか」という問題意識を明確化し、目的に合わせた印刷が依頼できる印刷会社を探し出すようにしましょう。