【EC事業者必見】大手宅配業者5つの特徴を徹底比較!

【EC事業者必見】大手宅配業者5つの特徴を徹底比較!

EC事業者にとって、宅配業者の選択は重要です。近年、ECサイトでは配送料金を無料や全国一律とする場合もあり、配送コストの負担が収益に与える影響は無視できません。

各宅配業者が設定している配送料金は梱包サイズ、重量、そして配送地域によって金額が異なります。また、大きな商品の配送やユーザーに提供する付随サービスを考えたとき、宅配業者の選定はさらに難しくなります。配送料金をできる限り抑えながらも、充実したサービスを提供してもらえる宅配業者をどう選べばいいのか、お悩みのEC事業者さんは多いのではないでしょうか?

この記事では、令和元年度において宅配便取扱実績の上位を占めた大手宅配業者の特徴について、配送料金と提供しているEC事業者向けサービスを徹底比較しています。宅配業者を選ぶ際の参考にしてみてください。

 

宅配業者の業界シェア

まず、令和2年9月発表の国土交通省「令和元年度宅配便等取扱実績関係資料」から令和元年度の宅配業者の業界シェアを読み解いてみましょう。

令和元年度の宅配便取扱個数の推移では、「宅配便取扱個数は43億2,349万個、前年比で約1.0%の増加」となっています。このうち、トラックによる運送は42億9063個、航空等利用運送は3,286万個です。

さらに、宅配便取扱個数のうち約9割以上を「ヤマト運輸」「佐川急便」「日本郵便」が取り扱っており、大手3社による寡占化が進んでいる状況となっています。

また、ヤマト運輸は「2020年12月小口貨物取扱実績」で、宅配便取扱個数が前年比18.6%増の228,101,747個と発表し、ECサイトやネットショップの利用者増加の影響を伺うことができます。

以下では、運送形態における宅配便シェア率を詳しくご紹介します。

 

宅配便(トラック)取扱シェア

トラック運送の取扱シェアは、上位5宅配便だけで全体の99%以上です。

さらには、「ヤマト運輸 宅急便」「佐川急便 飛脚宅配便」「日本郵便 ゆうパック」の上位3便だけで取扱シェアの94%以上を占めています。

 

宅配便名取扱事業者前年取扱個数取扱個数対前年比率構成比率
宅急便ヤマト運輸1,803,530,0001,799,922,00099.8%42.0%
飛脚宅配便佐川急便1,246,638,0001,257,728,000100.9%29.3%
ゆうパック日本郵便942,214,000974,457,000103.4%22.7%
フクツー宅配便福山通運

他21社

142,324,000139,087,00097.7%3.2%
カンガルー便西濃運輸

他19社

120,600,000112,073,00092.9%2.6%
その他

(16便)

5,307,0007,359,000138.7%0.2%
合計(21便)4,260,613,0004,290,626,000100.7%100.0%

(※)引用:令和元年度宅配便等取扱実績関係資料|国土交通省

 

宅配便(航空等利用運送事業)取扱シェア

航空等利用運送についても、上位4便「飛脚航空便」「宅急便タイムサービス等」「フクツー航空便」「スーパーペリカン便」が取扱シェアの過半数の53.5%を占めています。

 

宅配便名取扱事業者取扱個数対前年比率構成比率
飛脚航空便佐川急便9,495,000104.8%28.9%
宅急便

(航空扱:タイムサービス等)

ヤマト運輸

他2社

7,157,00099.7%21.8%
フクツー航空便福山通運

他1社

554,00091.4%1.7%
スーパーペリカン便日本通運

他1社

388,00089.3%1.2%
その他(114便)15,266,00052.4%46.5%
合計(118便)32,860,00070.8%100.0%

(※)引用:令和元年度宅配便等取扱実績関係資料|国土交通省

 

大手宅配業者5つを徹底比較

ここからは、上記の宅配便取扱シェアで上位を占めた大手宅配業者の特徴をご紹介します。

 

ヤマト運輸

ヤマト運輸の主な宅配便サービスは、「宅急便」です。

宅急便は縦・横・高さの合計が160cm以内、かつ25kg以内の輸送に対応しており、年中無休で一部地域を除いた全国への翌日配達する配送スピードが特徴です。

ヤマト運輸の法人向けサービスではビジネスをサポートする多彩な輸送サービスが用意されています。そして、出荷依頼や送り状発行を行えるWebサービス「ヤマトビジネスメンバーズ」を利用すれば、出荷業務の負担軽減やバックオフィス業務効率化が実現できます。

 

佐川急便

佐川急便の主な宅配サービスは、「飛脚宅配便」です。飛脚宅配便は荷物の3辺合計160cm以内・重量30kg以内の輸送に対応しているほか、法人向けサービスも充実しています。

ビジネスの機動力を高める「STANDARD」、バリューチェーンを向上させる「SUPPORT」、ビジネスの複合的な課題を解決する「SOLUTION」の3カテゴリーからサービスを展開中です。

そして、SUPPORTの中には「スマートAPI」という、EC事業者向けに特化したサービスもあります。

スマートAPIを導入することで購入情報から配送状況までをECサイト上で一元管理できるようになり、バックオフィス業務の負担軽減や効率化につながります。

 

日本郵便

日本郵便の主な宅配サービスは、「ゆうパック」です。

ゆうパックはサイズ3辺合計170cm以下、重さ25kg以内の輸送に対応しています。

日本郵便の法人向けサービスではEC事業者向けのソリューションが用意されていて、自社ECサイトと受注管理システム「通販クラウドシステム」や出荷システム「ゆうパックプリントsky」などと連携させ、受注から出荷までシームレスな体制構築が可能です。

 

西濃運輸

西濃運輸の主要宅配サービスは、「カンガルー宅配便」です。

カンガルー宅配便は1個口20kg以下、3辺合計130cm以内の輸送に対応しています。さまざまな荷主の荷物を積み合わせて輸送する「特積み(一般貨物)」で西濃運輸は業界最大手であり、最大2トンの大型荷物の配送が可能です。

西濃運輸はEC事者向けのサービスとして「Eコマース支援サービス」を提供しています。自社ニーズや商材に最適化したECサイトの構築や、仕入れから出荷までの配送支援でECサイト事業をサポートしています。

 

福山通運

福山通運の主要宅配サービスは、「フクツー宅配便」です。

フクツー宅配便は3辺合計160cm以内、重量30kg以内の輸送に対応しています。

福山通運は最速で翌朝8時までに配送する「ジェットオーバーナイトサービス」や安心・安全な輸送を実現した「スペースチャーター便」など、多彩な輸送サービスを実施していますが、いずれもBtoB向けのサービスとなっています。

ECサイトの仕入れ・発送などで宅配サービスを利用する場合は、最寄りの営業所で利用できるサービスを確認しましょう。

 

<サイズ別>宅配業者の料金を比較

ここからは、各宅配事業者の配送料金を「60サイズ」「80サイズ」「100サイズ」に分け、比較してご紹介します。

配送条件は発着を「関東(東京)・関西(大阪)」とし、法人契約の割引などは一切計算しないものとします。

 

60サイズの料金を比較

宅配事業者名&サービス名重量料金(税込価格)
ヤマト運輸

宅急便

2kgまで1,040円
佐川急便

飛脚宅配便

2kgまで880円
日本郵便

ゆうパック

25kg以下970円
西濃運輸

カンガルー宅配便

2kgまで1,023円
福山通運

フクツー宅配便

2kg以下1,100円

 

3辺合計60cm以内のサイズでは、佐川急便の飛脚宅配便が割安です。

日本郵便のゆうパック以外は、全て重量が2kgまでとなっているため、2kg以上の重量物はゆうパックを選択することになるでしょう。

 

80サイズの料金を比較

宅配事業者名&サービス名重量料金(税込価格)
ヤマト運輸

宅急便

5kgまで1,260円
佐川急便

飛脚宅配便

5kgまで1,155円
日本郵便

ゆうパック

25kg以下1200円
西濃運輸

カンガルー宅配便

5kgまで

(※サイズS:3辺合計70cm)

1,276円
福山通運

フクツー宅配便

5kg以下1,330円

 

60サイズほどではないものの、80サイズでも佐川急便に飛脚宅配便の割安感が際立ちます。

ここでもゆうパックが重量の面ではアドバンテージがあるといえます。

なお、西濃運輸のカンガルー宅配便のみ、80サイズではなく70サイズとなる点には注意が必要です。

 

100サイズの料金を比較

宅配事業者名&サービス名重量料金(税込価格)
ヤマト運輸

宅急便

10kgまで1,500円
佐川急便

飛脚宅配便

10kgまで1,496円
日本郵便

ゆうパック

25kg以下1,440円
西濃運輸

カンガルー宅配便

10kgまで1,529円
福山通運

フクツー宅配便

10kg以下1,540円

 

ここまでは、コスト面で目立った佐川急便の飛脚宅配便ですが、100サイズではヤマト運輸の宅急便とほとんど差がなくなります。ゆうパックの重量面での優位性は100サイズとなっても変わらない結果です。

 

比較してご紹介した配送料金は、配送事業者によって数十円~100円程度の差があることがわかります。その差は少額ですが、月に数百件の商品を配送したとすると、月当たりの配送料金の総額が売上の負担になることは明らかです。

そのため、収益を最大化するためには、配送料金を少しでも安くすることが必要不可欠でしょう。

また、昨今のネットショップでは配送料金を「送料無料」や「全国一律価格」に設定する場合が多く、数円でも配送料金を削減して収益に与える影響を少なくすることがECサイト経営における重要なポイントです。

 

宅配業者の選び方

配送にかかる料金を少しでも削減するためには、自社ニーズに最も適した宅配業者を選ばなければなりません。また、宅配業者を選ぶ際には配送料金に加えて配送の品質・納期にも気を配り、顧客満足度の向上にも気を配る必要があります。

 

自社の商品を考える

先述のとおり、荷物はサイズと重量で配送料金が設定されています。配送料金で配送業者を選ぶ際には、「販売数が多い商品」のサイズ・重量を軸に配送業者を検討するとよいでしょう。

このとき、商品サイズが60サイズでは大きすぎる場合もあるはずです。60サイズよりも小さい商品の配送の場合には宅配便サービスではなく、ヤマト運輸「宅急コンパクト」・日本郵便「ゆうパケット」などのサービスが利用できます。これらのサービスは宅配便サービスよりも割安な料金で配送が可能です。

また、家具や自転車などの大きな商品がメインの場合は、宅配便サービスは利用できません。ちなみに、家具や自転車のような商品の配送は西濃運輸が得意とする分野だといわれています。

なお、利用する配送業者は1社に限定する必要はありません。商品サイズや配送地域によって配送業者を使い分け、必要に応じて配送料金が安い業者を選択するという方法もあります。商品の特徴によって割安な配送業者を使い分けることで、配送料金が売上に与える影響を最小限に抑えられるでしょう。

そして、月の発送が数百件を超えている場合には、宅配事業者と法人契約を結ぶことを検討してみましょう。法人契約を結ぶと、配送料金が一般料金よりも割安になる場合があります。複数の宅配業者から相見積もりをとることで、最適価格に近い単価を引き出す交渉ができます。

 

付随サービスの内容を確認する

「配送スピード」はユーザーがECサイト・ウェブショップ利用する際の基準となる重要な要素です。ユーザーの手元にいち早く商品を届ける付随サービスの充実は、ユーザーの満足度向上につながります。そして、ユーザー満足度を向上させた結果、最終的にはLTV(顧客生涯価値)向上にもつながり、売上も安定するでしょう。

宅配業者の付随サービスには、再配達や時間指定といった基本的なものから、店舗受取サービスや置き配サービスなどがあります。特に置き配サービスは近年需要が高まっており、日本郵便やヤマト運輸といった大手宅配業者にも導入されています。こうした付随サービスが充実した宅配業者を選び、ユーザーが求める配送スピードに対応することは、購買を促して機会損失を防ぐ役割を果たします。

また、配送を依頼する側が受けられるサービスも確認すべきポイントです。宅配業者によって集荷時間はそれぞれ異なります。まとめた個数を営業所に持ち込んだり、会員サービスを利用したりすると配送料金は割引になることがあります。EC事業者側が受けられる各社のサービスもしっかりとチェックしておきましょう。

 

まとめ

宅配業者を選ぶ際には、配送料金にかかるコストを可能な限り抑え、ユーザーには高い配送サービスを提供することがポイントです。

そして、宅配業者はECサイト・ウェブショップを経営する上で、必要不可欠なビジネスパートナーです。末永く継続的な取引をする相手になるため、今回ご紹介した内容を参考にぜひ比較検討してみてください。