業務用ラップメーカー5社を比較!選び方のポイントは?

業務用ラップメーカー5社を比較!選び方のポイントは?

家庭で食品を保存する便利な道具として、ラップフィルムを普段から使っている方は多いでしょう。もちろん、ラップは業務用としてもよく用いられます。しかし、ラップの素材やメーカーごとの違いにまで把握している方はあまり多くないでしょう。

そこでこの記事では、業務用ラップの概要や家庭用ラップとの違い、各素材や各メーカーの特徴まで、業務用ラップを選定するためのお役立ち情報を解説します。

ラップのメーカーをお探しの方、これから飲食店などを始める方はぜひご参考ください。

 

業務用ラップとは?

業務用ラップは、スーパーマーケットや飲食店、食品工場などで主に用いられています。例えば、スーパーマーケットでは精肉・魚や野菜がパックで売られていますが、そのカバーとして業務用ラップは使われています。

業務用ラップと似た製品に家庭用ラップがありますが、どのようなポイントが異なるのでしょうか。

 

家庭用ラップとの違い

食品用ラップについて、家庭用・業務用と規格上のはっきりした区別はありません。どちらも使用の目的は、食材の短期保存や電子レンジを使用する際に対象にかけることが一般的です。

家庭用と業務用の判別方法としては、巻き数が少なければ家庭用、巻き数が多ければ業務用とされています。

家庭用ラップの長さは一般に50mですが、業務用のラップの長さは100mが小巻、750mがハンド用、1,000mは機械用と分類されています。

カッター刃の位置は、家庭用では安全面から箱のフタ部分にカッターが付いており、刃がむき出しになっていません。

一方で、業務用ラップでは刃が箱本体の下側に付いている製品が多く、ラップを手で持ったまま下に力を加えるだけで簡単にカットできます。

従って、業務用ラップは効率良く多くの容器にラップをかける必要がある飲食店などのプロ向けの商品といえるでしょう。

さらに、カッター刃の素材は家庭用は紙製が大半ですが、巻が長い業務用では欠けにくい金属製が採用されています。

そのため、手や指を傷めないように扱いには注意が必要で、ゴミとして捨てる際には分別を間違えないようにしましょう。

なお、業務用ラップには透明な青色のラップも用意されています。理由は、万が一食品にラップの端が異物として混入してしまった際に、見つけやすくするためです。また、普通の無色透明フィルムと使い分けることで、仕分けを行えるメリットもあります。

 

業務用ラップの種類

では、業務用ラップにはどのような種類があるのでしょうか。4種類の素材別にそれぞれ解説します。

 

ポリ塩化ビニリデン(PVDC)

ポリ塩化ビニリデンの第1の特徴は、気体の通しにくさです。気体というのは、酸素や水蒸気、臭い分子などを指します。酸素を透過させないことで、酸化による味や見た目の変化を防止します。

また、水蒸気を通しにくいため、食品の湿気を防ぎ、同時に食品の乾燥も防止し、みずみずしい鮮度を保つ効果もあります。チーズやニンニクなどが持つ強い香りが冷蔵庫の中で移るのを防ぎつつ、食品のそのものの香りを保てる点も長所です。

第2の特徴は摂氏140度程度までの高熱に耐えることで、電子レンジの使用も心配いりません。

第3の特徴は、ポリ塩化ビニリデンのおよそ70%が主に海水に由来する食塩を原材料とすることです。食塩は天然に豊富に存在する資源であり、石油由来の原材料を約30%しか使わないため地球環

境の負荷に配慮があります。一方、ポリ塩化ビニリデンの短所は、コストが高いこと、細かい裂け目から破れやすいこと、ラップ同士がくっつくと剥すのに苦労する点です。また、燃やした際に塩素ガスが発生する危険性があるため注意が必要です。

なお、ポリ塩化ビニリデンは気密性に優れるため、ほかの素材のフィルムにコーティングして使用すれば、素材単層のラップに比較して気体透過量を大きくカットできます。

気体のブロック性能が高めてフィルムを薄くできるので、製造に使う樹脂の量が少なくなります。つまり、製造にかかるエネルギーや排出する二酸化炭素などの温室効果ガスの削減にもつながるのです。

 

ポリエチレン(PE)

ポリエチレン素材は、安価で人体や環境に優しい点が長所です。ポリ塩化ビニリデンやポリ塩化ビニルでは、柔軟性を上げるために可塑剤という添加物を入れる必要がありますが、ポリエチレンには可塑剤は必要ありません。

そのため、添加剤フリーで環境や健康に優しいことをセールスポイントにしている製品が多く登場しています。

一方、ポリエチレンは密着性や透明度ではほかのラップに劣ります。特に酸素が透過しやすいので、酸化を防ぎたい食品には向いていません。しかし、収穫した後であっても呼吸を必要とする果物や野菜を保存する用途には適しています。

ポリエチレン製のラップには、「単層ポリエチレンタイプ」と「ポリエチレンとナイロンの積層タイプ」が販売されています。ポリエチレンの短所として、酸素透過度と臭気透過度が高く、密着性能は低い点が挙げられます。

この欠点を補うのが、ポリエチレン層にナイロン層を重ねたタイプです。この積層タイプは、ほかの材質と比べても遜色ない程度の伸縮性と密着性能があります。

なお、ポリエチレンは耐熱性が低いため、電子レンジでの使用には向きません。しかし、耐寒性能はセ氏マイナス70度まであるので、冷凍専用での使用には多く用いられています。

 

ポリ塩化ビニル(PVC)

ポリ塩化ビニルは、業務用ラップの素材として古くから使用されていて、とてもメジャーな素材です。伸ばしやすい、破れにくい、張り付きやすいことが特徴です。

ポリ塩化ビニル製のラップは破れにくく、細かい傷がついてもそれ以上は裂けないため、異物の混入を防止が必要な飲食店などの業務現場で多く使われています。

また、容器にぴったり張り付いて水分をこぼしにくいので、町の中華料理店の出前などでもよく使用されているため、生活に馴染みのあるラップです。価格もポリ塩化ビニリデン製のラップに比べると安価となっています。

短所としては、気体のブロック性能が高くない点です。野菜や果物などに適度な酸素を供給して、鮮度を保つ目的や、短期の保存には向いているでしょう。

安価なためスーパーマーケットの精肉や生魚のカバーなどにも使われていますが、長く保存しておきたいならば、冷蔵庫や冷凍庫に入れる前に、気体ブロック性能に優れたポリ塩化ビニリデン製ラップを上からかけると良いかもしれません。

ポリ塩化ビニルはもともとは硬いプラスチックで、食品衛生法で安全性を認められた添加剤が適量加えられています。それによって、強度を保ちつつ柔軟性と伸縮性に優れた機能を持つように工夫されています。

強度が高いためラップをかけた容器をいくつも重ねることもできるでしょう。また、ラップとほかのラップが引っ付いても簡単に剥がせるので、利便性にも優れます。

 

ポリメチルペンテン(PMP)

ポリメチルペンテン素材の最大の長所は、耐熱温度がセ氏180度と高いことです。電子レンジで内容物が高温になる場合でも、ラップが溶けるリスクを避けられます。

特に、動物性油脂を熱する場合、ほかの材質なら破裂するような条件でも、ポリメチルペンテンは優れた性能を発揮します。一方で、耐寒性は摂氏マイナス30度までです。

ポリメチルペンテンの短所は、一方向に裂けやすい点です。手で少し力を加えただけでも切れてやすい材質のため、使用時は傷がつかないように気をつけましょう。

 

おすすめ業務用ラップメーカー

業務用ラップは多くの製品が登場しています。おすすめの国内メーカー5社と人気商品を紹介します。

 

<比較①>三菱ケミカル

日本最大の総合化学企業である三菱ケミカル株式会社の食品包装用ラップフィルムは、飲食店やホテルの業務用として高いシェアを有しています。粘着性能・強度・防曇性能に優れることが特徴です。

「ダイアラップ」のブランドで、「ポリ塩化ビニル製ラップ」と「食品包装用ポリオレフィン系多層ラップ」の2種類を製造しており、前者を紹介します。

ポリ塩化ビニルラップフィルム「ダイアラップ業務用小巻」は高品質で経済的な製品で、飲食店や家庭で広く愛用されています。

特徴は高い粘着性能と伸縮性能、破れにくさ、カットのしやすさです。食品衛生法の基準にも合致しているため、どなたでも安心して使用できる製品です。

 

<比較②>リケンファブロ

リケンファブロ株式会社の業務用ラップフィルムは、素材別には「ポリ塩化ビニル」「単層ポリエチレン」「多層ポリオレフィン」の3種類があります。形態別には「業務用」と「業務用小巻(外刃)」が分かれます。

「業務用」は、スーパーマーケットなどで食品ラップに使用される「ハンドラッパー用」と、食品工場などで利用される「自動包装機用」が用意されています。

「業務用小巻(外刃)」は、飲食店やホテルのキッチンなどで用いられてきました。「リケンラップ」「ハイラップ」「ブルーラップ Ocean」のなどブランド展開をしていて、プラ刃・抗菌対応製品・色付き製品・詰め替え用フィルム・詰め替え用カッターなどがあります。

リケンファブロの業務用ラップは、本格的なプロフェッショナル向けのラインナップを展開している点が特徴で、幅や長さについても豊富なバリエーションがあり、現場のニーズに細かく応える製品が揃っています。

 

<比較③>デンカポリマー

合成樹脂製食品容器の製造販売を事業とするデンカポリマー株式会社。業務用ラップ「デンカラップ新鮮」は、ストレッチフィルムとしての高い性能がセールスポイントの、ポリ塩化ビニル製ラップです。

「ハンド用」と「オート用」のほかには、水分が高く蒸散しやすいきのこ類のために特別に開発された「きのこ用」ラップが用意されています。また、「オート用」には「高速包装機用」や「耐寒用」などがあり、工場でのハードな使用でも高性能を発揮するように設計されています。

 

<比較④>昭和電工マテリアルズ

昭和電工マテリアルズ株式会社の「キッチニスタラップ」は、薄くて丈夫なポリ塩化ビニル製です。 

料理人などの現場のプロも愛用する使いやすさに加えて、地球環境に優しくコストパフォーマンスに優れた日本製の業務用小巻ラップとして、高いシェアを誇る製品です。

現場から支持される使いやすい理由は、切りやすく、ほどよく伸び、ほどよく張り付くためです。傷付いても裂けにくい性質もあり、さまざまな場面や利用用途で活用できます。

また、ラインナップの1つである「キッチニスタ抗菌」は、食材を細菌から守るため、お出かけ用のおにぎりなどをラップしても安心です。

「キッチニスタ抗菌」は、食品の安全レベルが高いことを示す指標として世界で認知されている「HACCP製品認証」を、国内で初めて取得しています。

さらに、コロナ時代を経て2021年2月に新発売された「キッチニスタラップ抗ウイルス・抗菌」は、ラップ上の特定ウイルス数を減らし細菌の増殖も抑制できるように開発されました。

この新商品は、食品用器具・容器包装分野で初めて一般社団法人抗菌製品技術協議会の基準を満たし、抗ウイルス加工製品として登録されています。

 

<比較⑤>大和物産

大和物産株式会社は、奈良県に本社を置く老舗の総合家庭日用品メーカーです。大和物産の「業務用食品用ラップ」は、密着性能が高く、人間にも環境にも優しいポリエチレン製です。

リーズナブルな価格ですが外箱が丈夫でしっかりしています。ラップの品質も良好なため使い勝手が良いと人気です。業務用ラップは3種類、食品用ラップは4種類のラインナップになっていて、用途に合わせたサイズのものが選べます。

 

まとめ

この記事では業務用ラップの特徴や代表的な種類、人気のメーカーについて解説しました。業務用ラップは業務用品店やインターネットの通信販売でも購入できますが、製品ごとの違いを認識しておくと選定の際に役立ちます。

業務用ラップの使用目的を考えて、利用用途にマッチする最適な製品を選びましょう。