「コストを削減したい!」事例や実施方法、ポイントなどを徹底解説

「コストを削減したい!」事例や実施方法、ポイントなどを徹底解説

コストによる出費が売上を上回ってしまうと会社は赤字になってしまいます。しかし、コストをゼロにはできませんが、削減はできます。削減できたコストはそのままダイレクトに会社の純利益となりますので、コスト削減は会社の利益向上に直結する活動です。

この記事ではコストの種類とコスト削減の流れ、コスト削減に成功した事例、コスト削減を実施する方法を解説し、コスト改善サービスのリンクモアをご紹介します。

 

コストの種類

コストは大別して直接コストと間接コストの2種類があります。この2つの概念は主に製造業で使用されています。以下でそれぞれについて解説します。

 

直接コスト

直接コストとは、その名のとおり製品やサービスの製造・生成の過程に関わるコストを指します。製品メーカーでは直接コストの割合が高くなります。直接コストには、直接材料コスト、直接労務コスト、直接経費コストがあります。詳細は以下のとおりです。

  • 直接材料コスト
    製品を生産するために直接かかる原材料コストです。生産のために購入した部品もこれに含まれます。
  • 直接労務コスト
    製品の生産を行う従業員の作業時間に対する給料です。ここで作業時間と定義する理由は、従業員はすべての時間において生産に従事しているわけではないからです。準備時間や会議、資料作成などを行う時間もあり、それらは直接労務コストには含まれません。
  • 直接経費コスト
    直接材料コストと直接労務コスト以外で製品の生産に直接かかったコストを言います。加工や組み立て作業の一部を社外の企業に委託する外注費などが該当します。

 

間接コスト

間接コストとは、製品の生産やサービスの提供などに直接かかるコスト以外のもので、付随的に発生するコストを指します。特定の製品やサービスに依存するものではなく、複数のものにまたがってかかる生産・提供に必要な間接的な作業コストです。

例を挙げると一般管理費、設備減価償却費、管理費、賃貸料などがこれにあたります。また、間接コストには、間接材料コスト、間接労務コスト、間接経費コストがあります。詳細は以下のとおりです。

  • 間接材料コスト
    製品を生産する過程で間接的に必要となる原材料費で、製品の組み立てに使用されるネジや接着剤などが該当します。
  • 間接労務コスト
    生産に従事している従業員が、生産以外に行った作業に対する給料です。従業員が会議に出席している時間や管理職の給料などが対象で、製品生産に直接つながりのない人件費です。
  • 間接経費コスト
    事業を行うのに直接的な関連のない費用です。工場の減価償却費や保険費、機械修繕費などが対象となります。

 

コスト削減の流れ

コスト削減は、まず全体方針を作成することから始まります。ここではコスト構造の把握、改善ターゲットの設定、活用手法の選択を行いましょう。

次に個別の削減策を検討します。複数の削減数を作成したうえでそれぞれの効果や実行可能性、リスクを評価し、実行案を作成します。さらに、実行計画を策定し、体制計画、費用計画、日程計画などを作成します。

削減案を実行したら削減案の見直し、モニタリング指標の設定を行いましょう。最後に、モニタリング指標を元に継続的にコスト削減を推進します。

コスト削減活動の流れを表す言葉に「ないじゅか」というものがあります。これは以下の頭文字を取った言葉です。

「な」…なくせないか
「い」…一緒にできないか
「じゅ」…順番を変えられないか
「か」…簡素化できないか

上記の言葉を参考に日常行っている業務や作業をひとつひとつ見直すことで、具体的な削減施策を立案できます。

 

コスト削減に成功した事例

ここでは、実際にコスト削減に成功した企業の事例を5つご紹介します。

 

株式会社ニトリのコスト削減事例

株式会社ニトリは、家具・インテリア用品の販売を中心にリフォーム事業や法人向け事業などさまざまな事業を展開する企業です。日本国内のみならず海外にも展開しています。

同社が大幅なコスト削減を実現したのは、物流のロボット化によるものでした。人手の介在を最小限に減らして物流の効率性を向上させるために、通販発送センターにロボット倉庫「Auto Store」を導入しました。

「Auto Store」は自動倉庫型のピッキングシステムで、ロボットがコンテナの入出庫を行います。高い密度で収納されているコンテナの上に専用のレールを敷き、その上をロボットが縦横無尽に走行してコンテナの出し入れを行うものです。

「Auto Store」の導入で商品のピッキングに要する作業時間の大幅な短縮を実現し、また精度も向上させました。作業効率が導入前と比べて3.75倍向上したうえに、在庫面積を40%も削減。

これと同時に梱包用ダンボールを自動裁断する「BOX ON DEMAND」も導入し、物流の効率性を向上させました。「BOX ON DEMAND」は梱包する品物のサイズに合わせてダンボールを自動で製造するものです。 

あらゆる形状・サイズのダンボールを1個から製造でき、作業を効率化するだけでなく労働環境の整備にも役立っています。

売上もお値段「異常」。好調ニトリが、桁違いの利益率を上げるワケ|MAG2NEWS

 

 三菱商事ライフサイエンスのコスト削減事例

多彩な食品やメニューの開発を行う三菱商事ライフサイエンス株式会社は、約1,300名の従業員を抱える中堅の食品素材メーカーです。

同社は2019年の事業再編を機会に煩雑な需給管理業務を改め、旧システムの機能性と操作性を刷新し、需要予測の精度向上に取り組みました。その際、「従業員1人当たりの付加価値額を6%向上させる」という指標を掲げています。

行動目標には「老朽化したシステムを刷新することで、業務停止のリスクを極小化すること」「需要予測の精度を高めることで保管特性の異なる商品の在庫を適正化すること」などを置き、需要予測、生産計画、補給計画の主要三業務を効率化することを目指しました。

これらを実現するためのソリューションとして、同社はSCM(Supply Chain Management:供給連鎖管理)システムを導入。このシステムによって受発注・在庫・販売・物流の情報を共有して需要の変動に対する施策の最適化を図り、関連企業を巻き込んで無駄を排除しました。システム導入により、売上の最大化と在庫最適化、リードタイム短縮を達成しています。

事例紹介|キャノンITソリューションズ株式会社

 

経済産業省のコスト削減事例

官公庁は民間から寄せられるあらゆるニーズに対応しつつ一、定のルールを守りながら業務を進めなければなりません。そのため、急速な変革が難しい業界の1つです。

業務のなかでも、事務手続き業務はとくに時間がかかります。そのような環境下でもコスト削減に取り組んだのが経済産業省です。

同省は2016年6月に策定された日本再興計画に基づいて事業者目線で行政手続きの簡素化、規制改革、IT化を一体的に進めました。具体的には行政手続きコストの削減と、省内の事務作業の効率化に取り組みました。

行政手続きコストの削減では、紙で手続きするために生じる同じ情報を何度も書き込む手間を改めるために、電子化による情報管理を推進。これにより異なる種類の手続きでも入力項目を削減することに成功しました。

省内の事務作業の効率化に関しては、RPA(Robotic Process Automation)を導入。人事情報の登録作業の一部を自動化し、作業に要する時間を3分の1に削減することに成功しています。

行政手続コストの削減に向けた基本計画の改定について|経済産業省

 

 セブン イレブンのコスト削減事例

コンビニエンスストアは全国で5万店を超える規模に拡大しており、飽和状態になっていると指摘されています。実際、セブン イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの大手3社の売上高や営業収益は、いずれも2020年2月期の中間決算を見ると横ばいです。

今後も売上の飛躍的な伸びは期待できないため、収益確保のためにはコスト削減が迫られています。

セブン イレブン・ジャパンは会計システムを再構築し、2億2,000万枚に上る帳票と伝票を電子化。紙を介していた会計システムをデジタルデータ化し、Web上での参照・検索を可能としています。

また、会計数値システムを用いた自動チェック体制を整えることで正確性と生産性を向上さました。

このような取り組みによって用紙費、紙データの保管コスト、事務処理コストを大幅に削減し、年間で約14億円のコスト削減に成功しています。

コンビニ業界の覇者セブン-イレブンを支えるITの真髄–災害対策とコスト削減を両立|ZDNet Japan

 

 すかいらーくのコスト削減事例

ガスト、バーミヤン、夢庵、グラッチェガーデンズなど、全国に3,500以上の店舗を展開する株式会社すかいらーくは、外食産業界内では最大手です。

外食産業は近年、各チェーン企業による大量出店の他に、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどとの競争も激化しています。すかいらーくでは低価格・高品質な商品を提供し続けるための仕組み作りが課題でした。

同社は、それまで各々の業態が単独で行っていた調達・加工・生産・物流システムを統合し、経営資源を共有化することでコスト削減を図りました。

また、各店舗に分散していたデータベースに高速通信網を用いた新しいネットワークを導入することで集中管理。データベースの運用コストの削減と、調達から物流までのリードタイムの短縮を実現しました。

これにより各店舗はデータベースの保有・保守・管理が不要になり、従来比で26億円の経費削減を達成。今後は人件費などの固定費のさらなる削減のために、システム運用業務のアウトソーシング化を計画しています。

導入事例|TOKAIコミュニケーションズ データセンターサービス

 

コスト削減を実施する方法

コスト削減を実施するには、自社で対応する方法とコスト削減サービスを活用する方法の2つがあります。以下にそれぞれについて解説します。

 

自社で対応

自社でコスト削減を行う際は、一例として以下のようなステップが考えられます。

  1. コスト削減チームの結成
  2. キックオフミーティングの開催
  3. 経費の可視化と取り組み品目の決定
  4. 達成するまでの各活動のプランニング
  5. 進捗確認

コスト削減チームの結成では、社内の組織を横断的に活動するチームを結成し、社員全員にコストに対する啓蒙を図ります。あまり大きなチームになると実行スピードが落ちるので、4~5名のチームメンバーがよいでしょう。

キックオフミーティングの開催では、チームメンバーの顔合わせ、活動内容の確認、目標・納期などの最終的なゴールの確認を行いましょう。キックオフミーティングで明確な目的を伝え、チームメンバーのモチベーションを喚起します。

経費の可視化と取り組み品目の決定では、自社内で使われている経費を可視化し、コスト削減に取り組む品目を決定します。削減効果の大きさだけで品目を決めると、時間を要するものだったり、調整が難しいものだったりするケースもあるの注意しましょう。

プロジェクトが頓挫しかねないので、効果と実行の難易度から総合的な判断が重要です。

達成するまでの各活動のプランニングでは、決定した取り組み品目のコスト削減に至るまでの道筋をプランニングします。具体的には、目標設定、削減手法決定、手順設定、担当者設定の実施です。

最後の進捗確認では、削減活動開始後に定期的にチームのメンバーで集まり、進捗を共有して次に取るべきアクションを整理します。少なくとも月に1回は集まるようにしましょう。

自社でコスト削減活動を行う場合、費用をかけずに削減できるものの、手間も時間もかかります。また、ノウハウがない状態でコスト削減を実施すると、現状の業務品質を落としてしまう恐れもあります。

 

コスト削減サービスを活用する

コスト削減を行うにあたってはどの品目にどの程度の支出をしているか把握しなければなりません。

しかし、財務会計上の品目は勘定科目のレベルで仕分けられており、品目の費用を把握するには経費データを1つずつ確認し、摘要や支払先などの情報を手作業で仕分ける必要があります。

経費のデータは手作業で入力しているケースも多いので表記にブレがあることも多く、間接費を整理・把握するのは多くの手間と時間がかかるでしょう。

一方、外部のコスト削減サービスを活用すればこれらの作業を肩代わりして処理してもらえます。作業を依頼する側は会社の会計データを渡すだけで、表記にブレがあっても情報を正確に整理して分析してくれます。

 

まとめ

企業活動を維持・発展させるにはコストは必要不可欠なものです。コスト削減はどの企業にとっても避けて通ることのできない重要な経営課題1つです。

しかし、どのようなコスト改善を行うにしても商品やサービスの品質を落とすようなものがあってはなりません。そして、コスト改善の取り組みに終わりはありません。

品質を維持した状態で効率的にコスト削減を行いたい方は、コスト削減サービスの利用を検討してみてください。