企業におけるコスト管理の重要性とは?方法や手順までご紹介!

企業におけるコスト管理の重要性とは?方法や手順までご紹介!

安定した収益を継続するために、コスト管理を工夫している企業は多くあります。さまざまな種類のコストを把握して適切に管理することは、健全な企業活動を続けていくために欠かせません。しかし、企業の事業規模に比例してコストは複雑になるため、日々の業務に追われていると管理が曖昧になるケースも少なくありません。

また、電気料金や通信費などの固定費は必ず発生するものと、サービスの見直しを行わずに契約し続けている企業も目立ちます。

そこでこの記事では、コスト管理を効率的に行う手順やポイントについてお伝えします。コスト管理の概要やコストの種類といった基本的な情報から、コストを最適化するためのコツまで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

コスト管理とは?

コスト管理とは事業の利益と収益を高めるために、企業のさまざまなコストを管理することです。そもそもコストとは企業活動に必要なあらゆる費用を指します。材料費や人件費、間接費などが含まれます。

コスト管理では、こうしたすべてのコストを把握して一元的な管理を行います。例えば、交通費が基準値以上に高ければ抑制できる方法はないか思案し、製品開発の設計や工程に問題があれば改善策を考えることもコスト管理の重要な役割です。

現在はインターネットやスマホも発達し、ビジネスの方法も日々変化しています。例えば、小売業界では店舗販売のほかにもECサイトや個人取引などさまざまな業態が増えました。

そうした数多くのライバルの中で勝ち残るためには、1円でも原価を抑えて利益を確保しなければなりません。自社の状態を正しく把握して最善の経営判断を行うためも、コスト管理は広く注目されているのです。

 

コスト管理の重要性

適切なコスト管理の実施は、安定した企業活動を行い収益を得るために重要です。十分なコスト管理が行われていない企業は、お金の流れを正しく把握できていません。出費が抑えられない主な原因を追求せずに闇雲にコストカットを要求しては、従業員のモチベーションも低下してしまうでしょう。

さまざまなコストの種類や負債が発生した原因が曖昧だと事業方針を定めることもできないため、まずはコスト管理を正しく行い、健全な企業活動を推進しましょう。

ちなみに、新型コロナウイルスの影響によって「社内のコスト意識に変化があった」という質問に対して、回答者の9割以上が「変化があった」と回答していることがある調査から分かっています。

世界規模のパンデミックによってビジネスを取り巻く外部環境も大きく変化しており、特定分野においては売上を向上が困難だというケースも少なくないでしょう。

なお、この調査では実際に取り組んだコスト削減の内容として、オフィス賃料・使用率が減った機械設備・交通費などがあげられています、テレワークの浸透によって場所の制限が無くなった今、交通費を実費精算に切り替えるなど機会が減少したものにフォーカスして見直しが図られているようです。

 

企業が管理すべきコストとは?

企業が管理すべきコストとは具体的に何を指しているのでしょうか。代表的なコストの種類について、それぞれ見ていきましょう。

 

固定費

固定費とは会社を運営しているだけで発生する費用です。例えば、企業の入っているビルなどの家賃や従業員の雇用に必要な人件費は業績に関係なく毎月発生する固定費の代表格です。

また、設備を使用していなくても減価償却費は固定費として支払わなくてはなりません。ほかにも水道代・光熱費・通信費などが該当し、支出情報を整理してみると多くの種類の固定費が企業運営に必要なことが分かるはずです。

そして、コスト管理を考える際に固定費は特に重要なポイントで、軽視して考えることはできません。なぜなら、固定費の管理が曖昧で無駄な支出を発生させていると、それだけで毎月余計なコストが発生してしまうためです。当たり前と思って支払っている固定費も、サービスに見合ったコストかどうか改めて考えてみましょう。

 

変動費

変動費とは売上の増減によって金額が変化する費用で、原材料費・仕入れ原価・販売手数料・消耗品費などが挙げられます。製造や商品の販売などの企業活動に付随して変動するコストであることからアクティビティコストとも呼ばれており、企業業績が順調で活動も活発だと変動費も上昇する傾向にあります。

例としては、100個の製品を作っていた会社が1,000個に増産する場合、通常以上に原材料を調達する必要があるため変動費も追加のコストが必要です。コスト管理として変動費の把握は大切ですが、コスト削減を考える際は慎重な判断が必要です。闇雲に変動費を削減してしまうと企業のサービス品質が低下してしまい、お客様からの信頼を失ってしまうリスクもあるからです。

変動費のコストカットを考える場合は低価格で同じ品質の素材に置き換えらる方法を模索するなど、品質低下を予防する取り組みを実施しましょう。

 

見えないコスト

見えないコストとは、業務を行うのに必要な時間や手間などの間接的なコストです。例えば、長時間に及ぶ会議や発注業務を行うために必要な準備の工数、物品要求に対応する手間などが見えないコストです。見えるコストは賃料・人件費・原材料費など明確な金額が表に現れるため管理が比較的簡単ですが、見えないコストの把握は容易ではありません。

まずは、ウエイトの大きな見えないコストを明確にするためにも、従業員に大まかな1日の行動記録を把握してみましょう。朝礼からメールチェック、資料作成まで、従業員ごとの日々の行動サイクルが分かれば、見えないコストも見えてくるはずです。

 

コスト管理の手順

続いて、企業がコスト管理を行う際の手順についてお伝えします。何からコスト管理を始めればよいか分からないという方は、ぜひ参考にしてください。

 

管理コストの策定

企業で発生しているコストの洗い出しを行います。見えるコストに関しては料金の明細表を確認するなどして、月ごとの費用を分かりやすく整理しましょう。その際、固定費と変動費などにカテゴリーを分類しておくと、コストの分析しやすくなります。

そして、漏れなくすべてのコストをはっきりさせるためには、業務プロセスの可視化が必要です。コストは大きく固定費と変動費に分類できますが、中には見えないコストもあります。全体像を正しく把握するためにも、業務プロセスを改めて振り返ってみましょう。

重要度の高いプロセスは問題ありませんが、作業が重複していたり、必要以上に時間がかかっていたりする工程は要注意です。コストカットの対象として考えられる業務プロセスはリストアップしておきましょう。

 

コストの分析

コスト分析を行うには、まず支出計画を策定する必要があります。支出計画には事業を遂行するために必要なコストの種類と想定されるそれぞれの金額を明記します。支出計画をベースに、実際に発生したコストを照らし合わせることで、問題点を洗い出していきましょう。

両者の差額が大きいようであれば、なぜ想定以上にコストがかかっているのか原因を分析します。すべての大きなコストが問題というわけではなく、合理的な理由があれば必要経費として考えられます。

しかし、総合的に判断して異常値として認められる場合は、改善対象として項目をリストアップしましょう。比較手段としては社内の複数の部門間でコストを比べたり、同規模の他社の平均的なコストを参考にしたりする方法があります。

 

コストのコントロール

コスト分析を行った結果として予算を超えてしまう場合には、コストコントロールが必要です。費用が目立って発生している箇所に対して、コスト削減を実施できないか検討してみましょう。

また、コストコントロールの優先順位としては、固定費の改善を優先的に考えましょう。固定費を抑えられれば毎月の支出を削減できるため、大きな効果が期待できます。場合によっては契約内容を見直して価格交渉が必要になるケースもあるため、コスト削減のプロの力を借りることもおすすめです。

ただし、自社でコストコントロールを行う場合は、コストを安くすることだけに注力しないように気をつけましょう。コストのコントロールは大切ですが、費用削減を追い求めるあまりに事業のクオリティが下がってしまうこともあります。なるべく無駄やムラのみを削減できるよう気を配りましょう。

次に優先順位が高い箇所は見えないコストです。管理コストの策定やコストの分析のステップで、無駄やムラのある業務プロセスも明確になったはずです。目に見えるコストではないので後回しにされがちですが、業務の効率化はコストをコントロールする上で軽視できません。

人件費のコストパフォーマンスを向上させるためにも、業務の無駄を削減しましょう。現場の担当者とはコミュニケーションをしっかりと取りながらコスト削減を実施することも成功のポイントです。

 

コストの最適化を目指す上でのポイント

企業でコストの最適化を目指すためには、どういったことに気をつければいいでしょうか。特に重要視して取り組みたい3つのポイントについて、それぞれ解説します。紹介するポイントに配慮しながら効率的なコスト最適化を実現しましょう。

 

従業員に当事者意識を持たせる

コスト最適化に自分も携わっているという意識を、すべての従業員に持たせましょう。コストは日々の企業活動の積み重ねで、従業員の行動もコストに大きな影響があります。

例えば、プレゼン資料を印刷すればコストが発生し、出張や商談をするにもお金がかかります。休憩室でウォーターサーバーの水を飲むのも厳密には無料ではなく、ありとあらゆる従業員の行動とコストは無関係ではありません。

そもそも、従業員の活動自体に人件費が発生しているため、コスト意識を高く持つことは健全な企業活動に大切です。無駄な印刷や会議を減らしたり、商談をオンラインで実施したりなど、少しの工夫からコスト最適化は実現できます。従業員のコストに対する意識を改善させることで、会社全体のコスト管理能力を向上させましょう。

 

目標の設定

コスト最適化を目指すために従業員の意識を整えたら、目標設定も忘れずに行いましょう。漠然とコスト最適化を行うと方向性を示しても、現場ではどのように行動を改善すればよいか分かりません。継続したコスト最適化を進めていくためにも、コスト管理の対象を明確にして目標は数値化しましょう。

例えば、コピー用紙の使用枚数は月に100枚まで、電気料金を20%削減、オンライン商談を月に10件達成など、具体的な目標を定めることがおすすめです。明確な目標があれば従業員も行動に反映しやすいため、職場でのコスト削減に対する意識が高まります。プレゼン資料の無駄な印刷を控えたり、社内の余計な照明を消したり、テレワークなどのリモートワークを導入したり、さまざまな行動に結び付きやすくなります。

実際の行動結果として目標が達成されれば、社内の仕事への士気もより高まるでしょう。また、結果を見て振り返り改善策を立案する際も、具体的な目標が定められていると次の行動へとスムーズに繋げられます。

 

システムの活用

コスト管理にもシステム導入がおすすめです。代表的なものとしては原価管理システムが挙げられます。原価管理システムは原材料や商品の製造にかかるコスト、プロジェクトの労務費などの費用を一元管理して計算できるシステムです。

原価管理システムを活用すれば、原価の維持や低減を図って企業の利益を最大化することも難しくありません。また、ほかのシステムとの相性も良く、例えばERPとも連携できます。ERPはEnterprise Resources Planningの略で、統合基幹業務システムとも呼ばれています。

企業の人・物・お金などの情報から企業全体の状態をリアルタイムで把握でき、円滑な経営判断に役立つでしょう。効率的にコスト最適化を進めるには、アナログな手法だけでは限界があります。無理のないコストカットを実現するための優れたシステムやサービスが数多くリリースされているので、ITの力を上手に取り入れて、企業のコスト管理を行いましょう。

 

まとめ

企業におけるコスト管理の重要性は高まっています。コストを軽視して企業活動を続けていては安定した収益を創出できません。利益を継続して出すためには優れたサービスや商品の開発も大切ですが、コストを削減することも重要です。

まずは、社内の発生しているコストを正しく把握して、コスト削減できる対象を明確にしましょう。コストの無駄や過剰な支出を抑制できれば、月々の出費も軽減できます。お金がかかって当たり前と諦めていた通信費や光熱費も、より最適で無駄のないプランに変更できるケースもあります。

思い込みで判断するのではなく、コストを改善するためにできることはないか改めて考えてみる姿勢が大切です。コスト最適化に対する社内の意識を高めて、スマートな企業運営を目指しましょう。