エネルギーコストの削減方法をご紹介!使用状況を可視化して無駄を省こう

エネルギーコストの削減方法をご紹介!使用状況を可視化して無駄を省こう

2022年3月現在、日本では新型コロナウイルス感染症の流行が続いており、厳しい経営を余儀なくされている企業も多いのではないでしょうか。

ただし、欧米諸国では景気が回復しつつあり、その影響で2021年後半から世界的にエネルギー資源の価格が上昇傾向にあります。そして、2022年2月24日に開始されたロシアによるウクライナ侵攻によって、エネルギー資源の価格が高騰しました。

このような先行き不透明な状況の中で、安定的にビジネスを継続していくためには「コスト削減」が不可欠です。特にエネルギー(電気、ガスなど)は、毎日のように使用するものであり、コスト削減を行う際に真っ先に目を向けるべき対象です。

そこで本記事では、企業の経営者やコスト削減担当者に向けて、エネルギーコストの削減方法について徹底解説します。

企業が使用するエネルギーの種類

エネルギーコスト削減の説明に入る前に、企業が使用するエネルギーの種類をご紹介します。下表に、企業がオフィスや工場、店舗などで使用している主なエネルギーの種類をまとめました。

種類説明
電気・照明、冷暖房、空調、調理器具、その他の機械で動力源・熱源などとして使用

・各地域の電力会社のほか、新電力(小売電気事業者)と契約することも可能

ガス・暖房や調理などで使用

・都市ガス(液化天然ガス、LNG)とLPガス(液化石油ガス、プロパンガス)の2種類がある

石油・ヒトの移動やモノの配送、暖房などで利用

・自動車ではガソリンや軽油など、暖房では重油、灯油などが使用される

なお、都市部では都市ガスが普及していますが、供給されていないエリアも多数存在します。配管が通っていない地域では、ボンベからLPガスの供給を受けなければなりません。ボンベの配送などにコストがかかるため、LPガスの平均価格は都市ガスの1.8倍~2倍程度です。

上記以外に「バイオ燃料」なども存在しますが、まだ広く利用されているとは言い難い状況です。ほとんどの業種では、冷暖房や空調、照明、機械や乗り物の動力源などとして、上記エネルギーを供給している業者(電力会社、ガス会社など)と契約し、料金を支払っているのではないでしょうか。

ただし業種によって(同じ業種であっても企業ごとに)、利用しているエネルギーの種類・量は異なります。例えば、運輸業ではトラック用の軽油などが大量に消費されますが、IT企業ではPCや冷房で使われる電気や暖房用のガスがメインになるでしょう。

エネルギーコストを削減できれば、経費全体の圧縮につながる

企業が見直しを行うべき経費は、主に以下の3種類です。

 

・オフィスコスト:家賃や事務作業に関連した費用(紙やインクなどの消耗品費、切手代など)

・オペレーションコスト:人件費、物流費など

・エネルギーコスト:電気代、ガス代など

 

なお、企業によって違いはあるものの、一般的にエネルギーコストは経費全体の中で大きな割合を占めています。オフィスコストやオペレーションコストを削減することも重要ですが、まずは、毎日使用し、年間で大きな金額になるエネルギーコストの削減に目を向けましょう。

毎日の削減量は小さくても、継続することで大きな量を削減できる

日々「照明」「冷暖房」「空調」「パソコン」などの機器で、電気やガスといったエネルギーが使用されています。

電気やガスは業務に不可欠なので「大きく削減するのは難しい」と感じるかもしれません。しかし毎日使用するものなので、1回あたりの削減量が小さくても、コツコツと省エネを続ければ年間では大きな削減量を達成可能です。

ちょっとした工夫で削減できるので、さまざまな工夫をしてエネルギーコストの削減に取り組みましょう。次の節で、具体的な削減方法をご紹介します。

エネルギーコストを削減する方法

時間帯や機器ごとの使用量、各月の消費量の推移をチェックし、オフィスや店舗の「照明」「冷暖房」「空調」などの使用状況を分析してください。削減可能な部分を見つけ出したら、社内で共有し「無人の部屋の照明を消す」など、省エネ意識を高めましょう。

ちなみに、財団法人省エネルギーセンターの調査によると、オフィスの専有部分において消費されるエネルギーのうち、40%を「照明」が、28%を「空調」が占めています。

「こまめに照明のスイッチをOFFにする」「少しだけ(数℃程度)冷暖房の設定温度を上げる/下げる」といった工夫をすることで、1日あたりの削減量は小さくても、年間を通じて見た場合のコスト削減量は大きくなります。

なお、商業施設など、一般消費者が多数訪れる建物では「快適さ」を無視して省エネを行うと、客離れにつながりかねません。施設の快適さを損なわないように留意しながら、照明や冷暖房の節約に努めましょう。

ピークシフトによって料金を抑える

電気料金を抑える方法として「ピークカット」や「ピークシフト」があります。

一般的に電力の基本料金は「最大デマンド(過去1年間で、最も多くの電力を消費した30分間の使用量)」によって決まります。この最大デマンドを下げる有効な手段のひとつが、ピークカット(ピーク時間帯の電力使用量を下げること)です。

しかし「ピーク時間帯に消費電力を下げられない」というケースもあるでしょう。その場合に役立つのが、ピークシフト(ピーク時の電力使用量を、使用量の少ない時間帯に移動させること)です。

具体的には、使用量の少ない時間帯(夜間など)に電力を蓄電池にためておき、ピーク時(昼間)に使用することでピークシフトを実現できます。

ピークシフトでは料金が割安な夜間電力が活用されるため、全体の消費量が同じままでも料金を抑えられることを覚えておきましょう。

新電力(小売電気事業者)に乗り換えることも検討する

電気やガスの契約自体を見直すことも重要です。「プランを変える」「別の業者に乗り換える」といった手段で、エネルギーコストを削減できるケースがあります。

従来は各地域の電力会社(北海道電力、東北電力、北陸電力、東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)だけが電気の小売りを行っていました。

しかし、2000年から大規模工場などを対象として電力の小売自由化がスタートし、2016年に一般家庭や商店への供給を含めて完全に自由化され、さまざまな業者が小売電気事業に参入できるようになりました。新しく小売事業に参入してきた業者は「新電力(小売電気事業者)」と呼ばれます。

電力の小売事業が自由化された結果、価格競争が生じ、新電力の方が各地域の電力会社よりも料金が割安な傾向があります。さまざまな契約形態やプランがあるので、料金やサービス内容を比較し、自社に適したものをお選びください。

省エネ関連の補助金も活用しよう

「照明をLEDに変える」「高効率な空調設備を導入する」「建物の断熱性能を向上させる」といった施策は、省エネに役立ちます。しかし、まとまったコストがかかるため、導入を躊躇している企業もあるのではないでしょうか。

導入コストの負担を軽減したい場合は、省エネ関連の補助金制度を活用しましょう。政府は企業の省エネを促進するためにさまざまな施策を実施しています。

補助金の情報は経済産業省や環境省などの公式サイトに掲載されているほか、中小企業庁の補助金・支援制度紹介サイト「ミラサポplus」で検索することも可能です。地域や業種などさまざまな条件で絞り込めるので、自社に適した補助金をお探しください。

EMSを導入して使用状況を可視化すれば、効率的にエネルギーコストを削減できる

効率的にエネルギーコストの削減を行うために、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入して「どのエネルギーを、どのくらい、何に使用しているのか」を可視化することも検討しましょう。

エネルギーマネジメントシステムを利用すれば、時間帯ごとにどの程度のエネルギー(電気やガスなど)を使っているかを正確に把握できます。そして、遠隔から自動的に運転制御を行い、ピーク時の使用量を下げる(負荷を平準化する)ことで、料金を割安にできます。

さまざまな業者が電気や熱の需要を予測し、最適な運用を実現するシステムを提供しています。電気だけではなくガスなども含めて最適制御が可能なEMSもあるので、利用料金や機能などを比較して自社に適したシステムを選択しましょう。

使用状況を可視化した上で、自社に適した手段でエネルギーコストを削減しよう

業種やビジネスの内容によって使用する種類や量は異なりますが、企業がビジネスを営む上で「電気」「ガス」などのエネルギーを消費することは避けられません。しかし、エネルギーは毎日使うものなので、年間を通じて大きな金額になります。

感染症の流行や戦争・紛争勃発などで不確実性が高まり、エネルギー資源の価格が高騰する中、経営環境の厳しさが増しています。このような状況においてビジネスを安定的に継続していくためには、エネルギーコストの削減が不可欠です。

エネルギーコストの削減を行う際には、まず電気やガスなどの使用状況を正確に把握しましょう。企業によって「削減できる部分」「できない部分」に違いがあるので、自社の状況を徹底的に分析した上で削減に取り組むべきです。

なお、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入すれば、使用状況が可視化され、簡単に無駄を発見できます。最適制御が行われ、手間をかけずに省エネを達成できるので、ぜひ導入をご検討ください。また、省エネ関連の機器を導入する際は、補助金も活用しましょう。

本記事の内容が、エネルギーコストの削減に取り組んでいる企業のお役に立つことができれば幸いです。