ホテル・旅館でできるコスト削減8選!実施ポイントまでご紹介

ホテル・旅館でできるコスト削減8選!実施ポイントまでご紹介

ホテル・旅館といった宿泊業で利益を上げるためには、コスト削減にも取り組むことが重要です。しかし、コスト削減は正しい方法で行わないと、顧客満足度を低下させる原因になります。そのため、効率的に利益を上げるには、コスト削減の進め方を正しく把握しておくことが必要です。

この記事では、ホテル・旅館で実施できるコスト削減施策を8種類に分けてご紹介します。コスト削減を行う際のポイントも併せてご紹介するので、ホテル・旅館のコスト削減を効果的に行いたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

コロナ禍で迫られるホテル・旅館のコスト削減

コスト削減によって利益を上げるには、支出額を継続的に減らすことが不可欠です。しかし、施策内容が決まらない、実施効率が上がらないといった理由でコスト削減が滞っているホテル・旅館は少なくありません。

実際、コロナ禍によって観光客が大幅に減少したことで、ホテル・旅館といった宿泊業では売り上げが全体的に低下しています。一般社団法人日本旅館協会が公表した「令和2年度 営業状況等統計調査(※)」によると、2019年度における旅館全体の総売上高は前年度比マイナス17.2%にも及び、同統計では新型コロナウイルスの影響によって売上高が減少したと分析されています。

減収防止対策としてマーケティング対策の強化や宿泊プランの新規作成などを行う宿泊施設もありますが、効果的な対策を行えていないホテル・旅館も少なからずあるようです。コロナ禍による観光業への影響は当面続く見通しであり、多くの宿泊施設は経済的に厳しい状況が続くと考えられます。

そのため、売り上げが低い状況で施設運営を行うには、不要な支出を適切に判断してコスト削減を進めること必要が不可欠です。ホテル・旅館を対象としたコスト削減施策に関しては、次章から詳しく解説します。

(※)令和2年度 営業状況等統計調査|日本旅館協会

 

ホテル・旅館でできるコスト削減施策

ホテル・旅館のコスト削減を行う際には、光熱費や賃料といった固定費を対象とすることで効率的にコスト削減を進めやすくなります。

ここでは、ホテル・旅館を対象としたコスト削減施策をご紹介します。

 

賃料の交渉

賃貸契約している建物でホテル・旅館を運用する場合、コスト削減を図るには土地や建物の賃料を安く抑える必要があります。物件の管理会社と交渉を行う際には、家賃交渉を専門とする企業へ依頼することが効率的にコスト削減を行うポイントです。

不動産は地価変動や建物の老朽化などによって適正賃料が下落する傾向があり、価格交渉を適切な形で実施した場合、賃料が下がることは珍しくありません。また、適正賃料を把握するには周辺の物件や地価等に関する知識が必要なので、専門知識を持った企業へ依頼することが一般的なのです。

特にホテルや旅館は比較的大規模な建物を利用している、複数の物件を保有しているなどのケースが多いため、価格交渉によって賃料を抑えられた場合は大幅なコスト削減が見込めます。

 

食材・飲料の仕入れ先の見直し

食材や飲料のコストを削減するには、原価率を低く抑える取り組みが不可欠です。売り上げに対して原価が高い場合、仕入れ価格や数量が適切ではないと考えられます。

そして、仕入れ先の見直しを行う際には、棚卸しを実施し、月々の仕入額と在庫を正確に把握する作業が必要です。品目別に仕入額と売上を集計した仕入日計表を作成することで、仕入額や数量が現状に適していない食材、飲料を数値的に把握できます。

仕入額が高い、在庫が多い品目を見つけた場合、仕入れ先の見直しを行うことでコスト削減ができる場合もあります。

また、特定の仕入れ先から過剰に購入していた、売上が伸びない品物を購入しているといった問題が明らかになった場合は仕入れ先を見直すことでコスト削減できる見込みが高いでしょう。その他、仕入単価が高くなった、在庫が余っている品目がある場合は仕入れ先や購入数を見直すことをおすすめします。

 

エネルギーコストの削減

宿泊業における光熱費は、契約する電力会社や料金プランを見直したり、節電・節水を実施したりすることで抑えられる場合があります。電気代の交渉に関しては、電力会社との間で自由に行えるようになっており、料金交渉を専門とする企業へ依頼することで電気料金を削減できたケースは多数あります。宿泊業は電気使用量が多い事業であり、光熱費の契約見直しを行うことで効率的にコスト削減を実施できる見込みが大きいです。

自社内で行えるコスト削減策としては、節電、節水を習慣づけることが挙げられます。実際、自社内で省エネを意識する方針を共有することで、電気使用量を削減できた事例もあります。

電気や水道などは取引先や契約内容によって品質に差が出ないことから、エネルギーコストの見直しは優先的に実施する施策のひとつです。大規模な拠点や支店を持つホテル・旅館である場合、エネルギーコストを見直すことで多額のコスト削減が見込めるでしょう。

 

清掃業者の見直し

ホテル・旅館におけるコスト削減を図るうえで、清掃業者の見直しは優先的に行いたい業務です。料金設定と契約内容を比較検討することで、業務品質を維持しながら清掃費用を削減できる場合があります。部屋の稼働率が低い場合は清掃費用を削減できるケースもあるので、同じ清掃業者を長期的に利用している場合は見直しの実施をおすすめします。

また、清掃費用をできる限り削減したい場合、清掃業務を自社内で実施する方法もあります。清掃業者への委託費用をカットできるので、業務を内製化することはコスト削減を図るうえで有効な手法です。

ただし、清掃費用の削減を目的としてサービス内容を簡略化したり、寝具や備品の数を減らしたりすることは基本的に避けましょう。自社に対する評判や売り上げに影響が生じるリスクがあるため、清掃費用を削減する際には顧客の需要を考えてから実行に移すことがポイントです。

なお、清掃業者の選び方に関しては下記のページでも詳しくまとめて紹介しています。

清掃業者の見直しを検討する際には、併せてご参考ください。

【ホテル清掃は業者に依頼すべき?】おすすめ業者も徹底比較!

 

オンライン予約へ集約

電話、メール対応にかかる人件費を節約したい場合、予約受付をオンライン予約に一本化する方法がおすすめです。旅行代理店のウェブサイトや自社ホームページに予約手段を集約することで、予約対応に掛かる時間や人手を削減できる効果が見込めます。

また、予約手段を全てオンライン化することで、ホテル・旅館のメンテナンスや広告宣伝に使用できる予算や人員を増やせる点もメリットです。なお、旅行代理店のウェブサイトを利用して予約受け付けを行う場合は、宿泊料金の1割程度を手数料として旅行代理店へ支払う必要があります。

そのため、予約方法をオンライン化してコスト削減を図る際には、自社ホームページの集客効率を向上させる方法も考えてみましょう。自社ホームページを活用するメリットは、予約手数料を掛けずに予約を獲得できる、ホテル・旅館に関する情報を随時更新できることなどが挙げられます。広告費用を削減するためには、SEOやSNSを活用したインバウンドマーケティングを通じて、集客効率を伸ばす工夫が必要です。

 

業務の自動化を推進

フロントでの受付や予約対応などを自動化することで、人件費削減と業務効率化を図れます。一部のホテルではフロントに受付用の機械を設置し、チェックインとチェックアウトの自動化を実現している事例があります。

ウェブサイトを経由した予約受付やキャンセル対応なども自動化できる業務であり、従業員が他の業務に集中しやすい環境を構築できることが自動化のメリットです。例えば、鍵の返却や料金支払いといったフロント業務を自動化した場合、チェックアウト時に待ち時間が短縮されることで、顧客満足度の向上が見込めるでしょう。

業務自動化に使う機械やシステムを選ぶ際には、初期費用とコスト削減効果の高さを比較してから決めることが大切です。実際に、業務自動化が行われた事例としては、清掃ロボットの導入・ルームサービス用ロボットの導入、ITシステムによる温度管理などが挙げられます。

なお、ITを活用して業務自動化を行う際には国から「IT導入補助金」が支給される場合があるため、業務自動化を検討する際にはホームページを確認してみましょう。また、人件費削減をより効率的に進めたい場合、予約受付のオンライン化と業務自動化を同時に行うこともおすすめです。自動化する業務と手動で行う業務を明確に分けることで、業務品質を維持しながらホテル・旅館の人件費削減を効率的に進められます。

 

損害保険の見直し

ホテル・旅館を運営するうえで、旅館賠償責任保険やPL保険、火災保険などの見直しは優先的に実施しておきたい施策のひとつです。保険会社の切り替えや価格交渉などを行うことで、固定費である保険料金を削減できることもあります。

旅館賠償責任保険や火災保険の料金は、施設の総床面積や支払限度額などに応じて決まるようになっています。大規模な不動産を運用するホテル・旅館では保険料金が高額になることがほとんどです。

なお、損害保険の料金は保証プランの設定や価格交渉によってある程度調整できます。

 

広告宣伝方法の見直し

広告費の削減を図る方法として、自社サイトやSNSといったオンラインマーケティングを実施することもおすすめです。自社サイトを集客手段として適切に活用することで、幅広い地域、年齢の人に対して自社が運営するホテル・旅館を宣伝できるようになります。既存の自社サイトやSNSによる情報発信は無料で実施できるので、コスト削減を図る際にはオンラインメディアを活用してみましょう。

実際に情報発信を行う際には、自社が運営するホテル・旅館の特徴や、利用客にとってどういうメリットがあるかを分かりやすく発信することが集客効率を上げるポイントです。例えば部屋の間取りや眺め、立地条件や料金設定といったアピールポイントを自社サイト、SNSで発信することで集客効率を向上させられるかもしれません。より効率的に集客数を伸ばすには、利用客による体験談やオンライン限定キャンペーンといった、独自性のある情報を発信することがポイントです。

オンライン上でホテル・旅館の知名度が向上してくると、自社サイトの閲覧数も上がるはずです。自社サイトやSNSを集客手段として活用するにはサイト制作やSEOなどに関する専門知識が必要になるので、オンラインマーケティングを専門とする企業へ依頼を行うのもひとつの方法です。

 

ホテル・旅館のコスト削減ポイント

コスト削減によって利益を上げるには、対象とする項目や理由、コスト削減による影響を十分に検討する必要があります。見通しを立てずにコスト削減を実施した場合、結果的に利益を得られなくなるリスクが高いです。ここでは、ホテル・旅館のコスト削減を実施する際のポイントを解説します。

 

サービス品質に影響を与える削減はNG

ホテル・旅館のコスト削減を図る際には、サービス内容や品質に影響を与えない範囲で実施することがポイントです。コスト削減を目的として空調設備の温度を変えたり、アメニティや飲料などを減らしたりするといった施策を行うと、顧客満足度が低下するリスクがあります。

コスト削減によってサービス品質が低下した場合、リピーターが付かなくなる、ホテル・旅館に対する評判が低下するといった問題も起きてしまうかもしれません。コスト削減を行う際には、光熱費の契約プランや損害保険といった固定費から優先的にコスト削減を実施しましょう。

 

従業員の意識改革

人件費削減と業務効率の向上という課題を両立するためには、業務に対する従業員満足度を向上させる必要があります。従業員満足度は業務内容や職場環境などによって変動することがあり、業務効率や職場への定着率に影響する要素です。

コスト削減を行う際の方針や理由などが、従業員に正しく伝わっていないと従業員満足度が低下し、業務効率やサービス品質に影響を及ぼすリスクがあります。採用コストにも影響する要素なので、従業員満足度の向上を図ることは経営的に重要な施策です。

従業員満足度の向上を図るには、経営方針を定期的に共有する、具体的な目標設定を行うといった施策が有効です。また、従業員に対して職場環境や業務内容に関するアンケートを行うことで、従業員から意見を引き出すという方法もあります。コスト削減を行う理由や目標を明確にすることで、業務に対するモチベーション向上が見込めるでしょう。

 

まとめ

今回はホテルや旅館でできるコスト削減方法をご紹介しました。ホテル・旅館のコスト削減を図る際には、賃料や光熱費、清掃費用などの固定費に関する契約見直しから実施することをおすすめします。

料金プランや、契約する企業を適宜見直し、効率的にコスト削減を行いましょう。