ITコストの削減アイディアと注意点を解説!

ITコストの削減アイディアと注意点を解説!

技術が発達した現代では、私たちを取り巻くありとあらゆる環境が、ITによって成り立っていると言っても過言ではありません。現代の産業において、業界・業種に関わらず、ITを仕事に応用しないという選択は、もはや現実的にありえません。

しかしながら、企業のITコストは年々増加傾向にあると言われており、経営上の大きな課題となっている企業も多いようです。なかでも、レガシーなITシステムを利用してきた企業は、運用コストがかさみすぎて、かえって経営上の負担になっていることもあります。

しかし、具体的にどうすればITコストを削減しつつ、業務品質も維持できるのでしょうか。この記事では、企業のITコストを削減するために役立つアイデアと、注意したいポイントを解説します。

 

ITコストとは?

一口にITコストと言っても、パソコンの新規購入費用やソフト開発を外部に委託するための経費、システムの保守運用コストなどさまざまです。特にここ数年、DX(デジタルトランスフォーメーション)が推奨されていることもあり、ITコストの幅や種類もますます増えています。

パソコンやインターネットが登場した当初と比較して、ITコストは複雑になっており正しく現状を把握できていない企業は少なくありません。そうした複雑なITコストを整理して考えるために、まずは費用を大きく分類してみましょう。

物にかかる費用:ハードウェアやソフトウェア、消耗品などがあります。ハードウェアだと購入費用に加えて保守費用も必要なこと、ソフトウェアはバージョンアップなどが発生することなどが特徴です。

サービス利用にかかる費用:インターネットやハードウェアなどの設置場所の利用料金などが該当します。どちらも毎月一定の金額が発生する場合がほとんどです。

技術者にかかる費用:システムやアプリケーションの開発や、システムなどの運用管理には人件費が発生します。

企業によって大きな費用が発生しているITコストの種類は同じではありません。そして、ITへの投資は今の時代に必要不可欠なものですが、効率化を図る余地は十分にあります。可能なところから削減・合理化を進め、効率化していきましょう。

 

ITコストの削減アイディア

ITコストを削減するためのアイディアを、5つの観点から解説します。すぐにでも始められるアイデアも含まれているので、ぜひITコスト削減の参考にしてください。

 

ITコストの内訳を可視化する

はじめにできる対策として、まずは現状のITコストの内訳を可視化してみましょう。ITコストは大きく3つに分類できるとお伝えしました。現時点でどこに余計なコストがかかっているのかを洗い出すために、コストを正しく把握して分類することで中身を見えるようにする工夫が大切です。

可視化できてはじめて、どこをどのくらい削るべきで、どこは残しておくべきか、効果はどれほどあるのかなど、客観的かつ建設的な議論ができるようになります。

そして、ITコストはソフトウェア・ハードウェアの購入維持費用などの「直接費」と、それらの運用に必要な人件費などの「間接費」に分けて考えるのもおすすめです。

例えば、直接費であればネットワークの利用料金や複合機の紙代など消耗品代など、間接費は社内のIT部門員や、総務・人事といった各部門内のIT担当者の人件費などが挙げられます。

まずは現在かかっているITコストをカテゴリーに分類して可視化してみましょう。内訳を明確にできれば、1ヶ月当たり、1年当たりに、どの部分にいくらくらいの量のITコストが費やされているのかはっきりとわかります。

 

リースを検討する

すべてのIT機器を自社で購入するとかなりの費用になるため、IT機器はリースへの切り替えを検討してみることをおすすめします。

リースとはIT機器などの物品を利用者に代わってリース会社が購入し、利用者に一定期間有料で貸し出す契約です。レンタルと似ていますがリースは中長期契約で製品を借りる契約で、パソコンやサーバといったIT機器、コピー機や複合機などのOA機器がリース対象となります。

リースには下記のようなメリットがあります。

・少額で設備を導入できる

・毎月のリース料金を経費扱いにできる

・月額料金が一定のためランニングコストを把握しやすい

・常に最新の設備を使用できる

注意点としては、購入物の所有権はリース会社にあること、中途解約が難しいこと、修理費用は負担しなけれればいけないことが挙げられます。上手くリースを活用して、ITコストを削減しましょう。

 

クラウド化(SaaS化)する

クラウド(Software as a Service: SaaS)化は、今まで自社の方でサーバを用意して運用(オンプレミス)してきたシステムを、インターネットを経由して外部企業が提供するサービス上に置換することです。

クラウド化してしまえば、自社内にサーバを設置する必要はありません。現在では、営業・経理・人事・労務など、企業活動における多くの分野の業務をクラウド上でまかなえるサービスがあります。

クラウド化にすることで、保守・管理にかかる工数・人的コストのカットが可能です。現在、自社内でITシステムを運用していて、相当な工数と費用、重い通信負荷に悩まされている企業も少なくないでしょう。

もし、既存のITシステムを利用継続したままコストカットをしたいならば、クラウド化も検討してみることをおすすめします。クラウドサービスを利用することで、保守工数が減るだけでなく、管理業務の効率化も一気に叶えられます。

しかしながら、クラウド化には注意点もあります。それは、情報セキュリティへの対応を常時、万全に維持する必要があることです。クラウドでは外部ネットワークへの接続が必要となります。そのため、セキュリティの性能などをよく精査して選びましょう。

さらに、オンプレミス環境にあるシステムをクラウド化するにあたっては、機密情報を含むデータを移動したり、従業員が新しい操作方法に慣れる必要があったりして、ある程度の手間と時間が取られるでしょう。そのため、オンプレミスからクラウドへの移行スケジュールは、計画的に実施する必要があることにも注意が必要です。

 

アウトソーシングの実施

アウトソーシングとは、自社の業務の一部分を外部の企業に発注することです。近年はアウトソーシングがサービスも急増しているため、こうした外部サービスを活用するのも一つの方法です。

例えば、注力したい肝心の業務に専念できず、幅広い雑多な仕事も並行して行っている従業員の方も少なくありません。思い切ってアウトソーシングを行い、ノンコア業務の切り離しを実現できれば、従業員は自分のコア業務に専念できます。総合的な人件費の削減にもつなる可能性も。

アウトソーシングできる作業は、単純なデータ入力や書類作成、サーバの保守管理まで多様です。上手にアウトソーシングを活用できば、ITコストを削減できるでしょう。

ただし、すでにアウトソーシングを行っている場合は注意が必要です。アウトソーシングを漫然と行うのではなく、アウトソーシングする業務などの契約内容や工程を簡単にできないかなどを確認し、費用削減につながる対策を行ってからアウトソーシング事業者に相談しましょう。

 

導入システムの調整

社内でバラバラになって運用している類似したシステムの調整でもコスト削減を行えます。システムの統合や集約、標準化などを実現できれば、ランニングコストなどをよりシンプルで無駄なくできます。

特に中規模以上の会社は、自社内だけでなく関連会社も巻き込んでシステム調整ができれば、大きなコスト削減が期待できるでしょう。

ただし、対象システムの範囲が広がると調整は簡単ではありません。担当や部門などの部分最適で適応していたシステムを全体最適にしなければならないので、システム調整がスムーズに進まないケースも珍しくありません。外部のコスト削減の専門家にシステム調整の協力を依頼すると、状況を打開できるかもしれません。

 

ITコスト削減のポイント

ここからは、ITコストを削減するために気をつけておきたい2つのポイントを紹介します。ITコスト削減を行う前に、ぜひご一読ください。

 

シミュレーションは入念に行う

ITコストを削減するためのアイディアは数多くありますが、実行に移す前に必ずシミュレーションを入念に行うようにしましょう。

十分な準備を行わずにシステム導入を進めると、思うような効果が得られなかったり、ほかの業務に余計な負担をかけてしまったり、想定外の問題が発生してITコスト削減に失敗するケースは少なくありません。導入後のミスマッチを防止するためにも、シミュレーションを十分に行うことが大切です。

システムを導入しようとしているのなら、コスト削減の効果検証と業務への影響など万全のシミュレーションを行いましょう。ほかにも、月々のコスト削減額や移行コストの回収時期などは算出しておきたい項目です。費用対効果の高いシステム導入を成功させるためには、業務環境やITコスト以外に発生するコストを考慮した綿密な計画が重要です。

 

業務品質に影響が出る削減は行わない

ITコスト削減ですが、業務品質に影響が出る項目に対しては行わないようにしましょう。とにかく安くなれば良いと闇雲にITコスト削減を進めてしまうと、業務品質が低下してしまいかねません。

そもそもITコスト削減とは、不要なIT予算や活用されていないリソース、ビジネス成果への貢献が低い要因を明確にして排除したり置き換えたりするプロセスです。ITコスト削減の過程で業務品質にマイナスの影響が出るようでは本末転倒してしまいます。

また、一般的にコストと品質には相関関係があり、コストが高くなれば品質が上がる傾向にあります。例えば、優秀な人材を投資して集めれば、優れたITサービスを開発できる可能性は高まります。そうした前提とした考え方があるなかでITコスト削減と品質向上を両立させるためには、事前のシミュレーションなどの工夫が必須です。ITコスト削減の2つのポイントを良く認識して計画を練りましょう。

 

まとめ

ITコスト削減は多くの企業が検討しており、自社に最適な方法が模索されています。単にITコストだけを削減するのであれば難しくはありませんが、業務品質はキープしなければなりません。

業務品質が低下してしまうとサービスを受けるお客様や関連会社との関係、さらには社内環境にも悪い影響が出かねません。業務品質のキープとITコスト削減をいかに両立させることができるかが最大のポイントです。

現状の的確な分析や入念なシミュレーションの実施などを行い、最良の方法を見極めましょう。紹介した5つのアイディアを参考に、ITコスト削減を成功させましょう。