オフィス賃料を削減するための方法と今すぐ見直すべきポイント

オフィス賃料を削減するための方法と今すぐ見直すべきポイント

オフィスの賃料はコスト削減が難しい項目の一つです。しかし、どのように削減するのかを理解すれば、削減しづらい理由と賃料を削減するための解決方法がわかります。この記事では、オフィス賃料を削減するための方法や見直すべきポイントをご紹介します。

オフィス賃料の内訳

オフィスの賃料は家賃と同じように支払う使用料のようなもので、賃料のほかにも保証金・敷金・共益費(管理費)・更新料・償却費のような費用が発生します。

「共益費」(管理費)とは、エントランス・廊下・階段・エレベーターなどの共用部分を管理・維持するために共同で負担する費用のことです。賃料とは別に請求されることもありますが、あらかじめ各種費用が賃料に含まれているケースもあるため確認が必要です。契約時点で賃料が安く設定されている場合、共益費で賃料分を回収しようとしていることも考えられます。また、共益費が安く設定されていたとしてもメンテナンスがあまりなされていない場合もあります。入居する前は一通りチェックしておきましょう。

契約更新する場合に更新料が必要となるケースもあります。費用が求められるタイミングと金額を把握しておくことも大切です。

オフィス賃料の相場はどのくらい?

では、実際のオフィス賃料相場はいくら程度なのでしょうか。ここからは、賃料が決まる条件や相場の実態、賃料にかけられる金額などを解説します。

オフィス賃料は何で決まる?

オフィスの賃料は、主に以下のような要素から決まります。

1.立地条件
「通勤に便利な駅の周辺」「便利なお店が近くにある」のような条件が整っていると相場が高くなる傾向にあります。逆に、駅から遠く通勤には不便で、近くに便利なお店などがない場合は相場も安くなるとされます。例として、東京都内ならば丸の内・大手町・銀座・六本木などの坪単価は一般的に高価です。一方で、八王子のような都心から離れている土地は比較的相場が安くなる傾向にあります。

2.築年数
築年数が増えると経年劣化がみられやすくなります。経年劣化は「物理的劣化」と「経済的劣化」の2種類に分けられます。「物理劣化」は、言葉のとおりビルやオフィスが劣化して価値が下がることを意味します。一方、「経済的劣化」はビルやオフィスの賃貸需要が減退していって価値が下がることを指します。「近くにより好条件のビルが建設される」「周辺環境および住宅選好が変化する」などのことから経済的劣化が起こります。

3.面積
面積という言葉はさまざまな範囲を指します。例として「ネット面積」は実際に執務スペースとして利用できる有効面積で計算されています。「グロス面積」は、執務スペースとして利用できる有効面積にトイレなどの共用部分の面積を含めた言葉です。有効面積とは、設備機械室・駐車場・階段室・エレベータホール・湯沸室・トイレなど共用面積を除いた床面積のことを指します。これら各種設備の規模によってもオフィスの賃料は変動します。

4.設備など
オフィスを使用するうえで有用な設備が整っていると、オフィス賃料は高くなります。近年は「セットアップオフィス」と呼ばれる形態の貸しオフィスが増えており、これは物件の貸主側がある程度装備を揃えた状態で企業にオフィスを貸す方式です。ほぼ部屋だけの何もないオフィスと比べて使いやすくなりますが、オフィス賃料が高くなるケースも少なくありません。デスク・電話回線・インターネット回線など、ビジネスに欠かせない設備の充実度合いに応じて、多くの賃料が求められます。必須設備以外にも、オートロックや宅配ボックスのように便利な設備があればより高くなるでしょう。

オフィス賃料の相場

企業に対する物件家賃は、同じ建物の中にあっても契約内容や契約する時期、条件によって大きく変わります。そのため、マンションやアパートの家賃とは異なり、情報を非公開にしていることも少なくありません。より正確な相場を知るには、地道に自分の足で出向いて調べるのが一番効率的でしょう。「なるべく多くの仲介業者を回る」「オフィス設立予定のエリアで契約している方にオフィス賃料を聞く」などの積み重ねが、正確な家賃相場を把握するためには必要です。

オフィス賃料の正確な相場を知っていれば、入居時の賃料交渉の際にとても重要な交渉材料となります。少額の変化でも長期的に数百万円の差が出るケースもあるため、相場の把握はとても重要です。

オフィス賃料はどのくらいかけてもいいの?

一般的に1ヶ月の家賃は3日分、売上の約9%~10%が良いとされています。ビルやオフィスを資産として管理する場合は10%を越えても問題ありません。

オフィス賃料を削減する方法

オフィス賃料をできる限り削減するには、以下のような方法が有効です。まずは小さなことから始めていくことをおすすめします。

現在のオフィスの賃料を交渉する

既存のオフィスがあるエリアの賃料の相場を調べ直すことで、オフィスオーナーへの賃料見直し交渉も可能です。また、相場の調査以外に部屋や設備を念入りに観察して、デメリットを指摘したり交渉を行う時期を調節したりすると交渉に応じてもらえるケースもあります。

なお、交渉の時期を調節する場合は4月以降がおすすめです。12月〜3月は転勤などで不動産会社が忙しくなりやすく、3月で借り手が見つからなかった物件を狙うことも可能です。ほかの時期よりも交渉に応じてもらえるケースが多くなるでしょう。

他のオフィスを移転する

思い切って複数のビルに分散していたオフィスを統合するという方法でも、賃料の削減が可能です。賃料の安い場所に移転させて土地などの利便性とオフィス面積の不足分をシェアオフィスで補うなど、工夫をすればコスト削減につなげることもできます。

シェアオフィスを利用する

シェアオフィスという言葉は、レンタルオフィスとコワーキングスペースをまとめて表現していることが多く、どちらも賃料の代わりに「月額利用料」「月会費」などを払って利用します。

「レンタルオフィス」は、運営会社が提供するビルのワンフロアを小分けにし、個室やブース席をオフィスとして貸し出します。1人用から大人数で使える部屋まで、幅広い区画サイズのラインナップが特徴的です。

一方、コワーキングスペースは「Co(共同で)Working(仕事をする)」という呼び名のとおり、オープンスペースを自由に利用するオフィス形態です。パーテーションなどで区切られていたとしても、共有スペースという認識が大きくなります。「備品をカスタマイズする」「機密情報を扱う作業を行う」「固定電話を設置する」などの自由度は低くなるでしょう。

オフィスの面積を削減する

オフィスの賃料を減らすためにはオフィス面積の削減が有効であり、オフィスの面積を削減する方法は複数存在します。例としてフリーアドレス制やテレワークの導入、ペーパーレス化による資料管理スペースの見直しなどが挙げられます。

この項目では、フリーアドレス制とテレワーク、ペーパーレス化について解説します。

フリーアドレス制を導入する

フリーアドレス制はオフィス内に個人の専用デスクを設けずに、大きなオフィス内で共用の大きなデスクを利用するなど「フリーアドレス」なオフィス環境を作ります。「部署間の壁を壊す」と表現されるように、固定席では実現できなかったコミュニケーションの活性化が期待できます。また、きれいなオフィス環境の維持がしやすくなるメリットもあります。 

テレワークを導入する

テレワークを導入するには、テレワークに即した勤怠管理体制やセキュリティ対策、ハード設備が必要です。導入できれば感染症対策・交通費の削減・生産性の向上などさまざまなメリットにつながります。主な業務はテレワークで行い、出社が必要な業務はシェアオフィスを使用しましょう。

ペーパーレス化で資料管理スペースを削減する

ペーパーレス化とは、紙媒体を電子化してデータとして活用・保存することです。ビジネスにおいては、文書・資料を電子化して業務効率改善やコスト削減の目的に行われます。ペーパーレス化には業務効率改善・コスト削減・セキュリティ強化・オフィスの省スペース化などのメリットがあり、テレワークとも相性が良いため注目が高まっています。

会議やミーティングで使用する資料はもちろん、会社パンフレットや製品・サービスカタログなどもペーパーレス化の対象です。資料やカタログなどをデータ化することで、利便性の向上につながるうえに、営業の際はノートPCやタブレットを持ち運ぶだけで済む、掲載内容に関する情報のアップデートも簡単に実行できるようになるなど、効率の面も向上します。

近年では、従来は紙での保管が義務付けられていた書類であっても、「電子帳簿保存法」や「e-文書法」の要件を満たすことで電子データとしての管理・保存が可能になりました。しかし、運転免許証・許可証・船舶に備えた手引書など、緊急時に即座に見る必要がある書類や現物性が高い文書は電子データ管理・保存の対象外になるため注意が必要です。

オフィス賃料見直しの際のポイント

オフィス賃料を見直す際に確認したいポイントについて解説します。オーナーに交渉を持ちかける前に行えるコスト削減は可能な限り実行しておきましょう。

オフィス面積が適切か見直す

契約当初は最適な広さであっても、人員やオフィス機器の増減によって面積が現状に合わなくなってくるケースがあります。オフィス全体を見直してデッドスペースがあるか確認しましょう。無駄なスペースの削減や契約面積の見直しはオフィス賃料の見直しにおいてとても重要です。

働き方改革や業務効率の改善ができないか見直す

テレワークなどによる働き方改革やペーパーレス化による業務効率の改善は、既存オフィスの環境改善にもつながります。出社する際に発生していた交通費などのコストが削減されるでしょう。また、ペーパーレス化が進めば紙の無駄な消費を無くせるため、消耗品にかかっていたコストも削減することが可能です。削減したコストの分、発生していたコストをオフィスの見直しに活用することもできます。

契約年数や原状回復など契約内容を確認する

オフィスの契約内容が現状に適しているか確認しましょう。オフィスの契約期間は一般的に2年ですが、異なる契約期間の物件もあります。契約期間が何年であっても、契約期間を終えた後もオフィスを借りたい場合は契約を更新する必要があります。そして、契約更新を行うタイミングはオフィス賃料見直しのチャンスです。その際、年数経過によるオフィス価値の低下や周辺のオフィス賃料相場の下落は賃料交渉の材料になります。

コスト削減サービスを活用する

コスト削減サービスを活用すると、以下のようなコスト削減をサポートしてくれます。業務効率の見直しやペーパーレス化の実現などを通して、オフィス賃料の削減に繋がるでしょう。

1.共有可能な業務プロセスの洗い出しとダブリの解消
業務内容を「コア業務」「ノンコア業務」に分けて、業務プロセスごとに共有可能か否かを検討します。共有可能な業務は標準化を図り、不要なプロセスを担当している社員の配置換えを行うなどの効率化が行えます。コスト削減サービスであれば効率化のサポートが可能です。

2.申請承認手続きのシステム化(ワークフローの導入)
ペーパーレス化による効率化など、直接的なコスト削減よりも従業員ひとりひとりの負担を減らすことに特化したサポートです。ワークフローの作成も行います。

3.サービスレベルの見直し
社外だけでなく社内のサービスレベルについて検討する際のサポートです。無駄な承認プロセスや必要なプロセスをリスト化・整理して負担を軽減するサポートを行います。

4.不動産費の見直し
これまでかかった経費が妥当かどうか、仕様書などで判断して適正価格を提案してくれたり、リモートワークなど自宅からの勤務が可能か、その導入についてもサポート可能です。

5.一般事務用品の見直し
資料やメモはが必要になり次第部署ごとに発注している企業は少なくありません。発注時に発生するコストを削減するために支店間・部署間での事務用品の在庫数を洗い出して、購買を含めて一元管理すると効率的な業務が行えます。コスト削減サービスは管理体制を整えるサポートを行います。

6.定期的な見直し
業務フローの見直しだけでなく、導入したシステムの定期的な見直しや改善も必要です。「業務全体の見直し」「業務フローの再構築」「不必要なシステム・業務の洗い出し」などのサポートを行うサービスも存在します。

まとめ

この記事ではオフィス賃料を削減するための方法や見直すべきポイントを紹介しました。

オフィスの賃料は非公開にされていることも多いため、地道な情報収集が相場を知る最短の道となるようです。賃料の削減には移転だけでなく、既に利用しているオフィスの賃料交渉の選択肢も存在します。しかし、賃料の削減は簡単に実行できることではありません。無理な節約などは従業員のモチベーション低下につながる可能性があるため、注意が必要です。

小さなことからコツコツと積み上げていくことが、コスト削減の鍵となるでしょう。