採用コストを削減するための8つの方法と見直しの際のポイント

採用コストを削減するための8つの方法と見直しの際のポイント

企業活動を継続するうえで、新規採用でも中途採用でも、新たな人材を獲得する活動は欠かすことができません。しかしながら、多くの場合、採用活動には相当な金額のコストが必要になるため、頭を悩ませている担当者の方も多いでしょう。

実は、人材の質を確保しつつ、採用コストを安く抑える方法とポイントがあります。では、その方法とは、一体どのようなものなのでしょうか。この記事では、採用コストを削減するためにできる8つの施策と、採用コストを見直す際のポイントについて解説します。

採用コストとは?

そもそも採用コストとは、企業の新卒・中途採用にかかる費用の総額です。すなわち、採用を計画する段階から始まり、求職者を募集して選考を行い、入社して仕事を始めるまでに必要になる総費用のことです。

この採用コストには、外部コストと内部コストがあります。

外部コストは、人材紹介会社・求人媒体の利用料金・合同会社説明会の参加費・採用パンフレットの製作費などの、自社の外部に払った採用コストのことです。

対して内部コストは、採用担当者の人件費や研修費といった、自社内での採用業務にかかったコストのことです。内部コストは自社社員の給料に含まれている場合が多いため、外部コストよりも見えにくく、見直しのための計算もしにくいことがあります。

さらに、1人当たりの採用コストを示す「平均採用単価」という指標もあり、「(平均採用単価)=(採用総コスト)÷(採用人数)」の数式から算出されます。平均採用単価は、特に採用人数が多くなる大企業では重要な指標になります。

採用コストの相場

この採用コストを正確に把握・管理することは、採用活動の全体をきちんとコントロールしていくためにも重要です。では、一般に企業は採用活動にどれくらいのコストをかけているのでしょうか。

株式会社マイナビの調べによれば、2017年度に実施された2018年新卒採用では、1人当たりの採用コスト平均は53.4万円でした。また、同じく株式会社マイナビの2014年の中途採用に関するデータですが、企業が1年間で求人広告にかけた総費用の平均は約353万円、人材紹介にかけた総費用の平均は約382万円で、1人当たりの求人広告費では平均で約39万円、業界別では機電系の約54万円が最高でした。

2021年の現在では、新型コロナ禍の影響で採用コストにも大きな変化が生じていると推測されます。しかし、日本全体の急速な少子高齢化から来る労働人口の減少傾向には歯止めがかからず、人材獲得競争は激化を続けています。そのため、総じて企業採用コストの右肩上がり傾向は、当面は変わらないでしょう。

採用コストを削減する方法

それでは、採用コストはどこをどのようにして削減すればよいのでしょうか。この章では、8つの方法をご紹介します。

求人媒体を見直す

1番目の方法は、自社が採用したいターゲット人材層にマッチした求人媒体に変えることです。

最近の求人媒体には、ターゲット人材層を詳細に絞り込んでいるものが多く存在します。そのため、大手の求人媒体よりも獲得したいターゲット人材層に特化した求人媒体に乗り換えることで、採用コストを削減することが可能です。

例えば、新卒対象・中途対象の別や、職種ではエンジニア専門・営業職専門の別、あるいは地元の採用に強いなど、さまざまな求人媒体が多数あります。自社が獲得したい人物像を明確化することによって、ふさわしい求人媒体も定まってくるでしょう。

さらに、求人媒体によって料金システムも異なってきます。課金されるタイミングは、広告掲載時なのか、応募が来た時なのか、採用に成功した時点なのか、よく確認して計算しましょう。

ちなみに、求人広告では求職者が求める情報がきちんと提供されていることが重要です。「展開する事業・サービス概要」や「給与・賞与」などが、求職者が一番知りたい企業情報なので、忘れずにしっかり掲載しましょう。

無料の求人掲載サービスを活用する

2番目の方法は、無料で掲載できる求人サービス媒体を利用することです。

近年は、無料で求人情報を掲載してもらえるサービスが多くなってきました。有料の求人掲載サービスでは通常は最低でも数十万円はかかってしまうため、無料というのはありがたいでしょう。

なお、無料求人ができる主要なサービスには、以下のようなサービスがあります。

  • LINEキャリア
  • Indeed
  • 求人ボックス
  • Googleしごと検索
  • ジモティー
  • エンゲージ(engage)
  • ハローワーク

例えば、「LINEキャリア」は2018年にスタートしたサービスですが、LINEアプリから簡単に利用できることもあって、多くのユーザーを獲得しています。「Indeed」は、ウェブ上の求人サイトや採用サイトから情報を自動的に集めてきて、その中から一度に検索できるシステムです。「Google しごと検索」では、検索エンジンで職種や希望勤務地を打ち込むと、検索結果の上位に求人情報が表示されます。

このように、サービスによって特徴もさまざまなので、無料サービスを利用する際には特徴をよく理解したうえで選んでみましょう。

自社求人サイトやSNSを活用する

3番目の方法は、自社サイト内の求人ページやSNSを活用することです。

自社の求人ページ経由で応募する求職者は、自社のことをよく知っている可能性が高いです。そのため、ミスマッチのリスクを低減できます。また、自社サイトでの採用を成功させるために、自社の一般知名度を上げて、自社サイト全体のアクセス数を増やすことにも力を入れましょう。自社ページで採用情報を更新した旨を広く告知するための戦略も、併せて考えなければなりません。

総務省の調べによると、新入社員の9割近くが就職活動で企業サイトを参考にしたとの結果が出ました。また、エン・ジャパン株式会社によると、求職活動においての企業ページおよび採用ページの重要性が、近年大きく増しています。いわゆる「ブラック企業」を避けるために慎重になっている求職者が多くなり、自分にマッチした企業なのかを見極めようとしているようです。そのため、求人サイトを含めた自社サイトでは、事業内容・仕事内容・具体的な給与など、求職者が知りたい情報を明記することが重要です。

自社求人サイトでは、外部の採用媒体に払う掲載料も、人材紹介会社に払う仲介料もかかりません。そのため、採用コストを大きくカットできるでしょう。

また、近年ではSNSを積極的に活用した採用活動が活発化しています。Twitter・Facebook・LINEといった代表的なSNSには、求人情報を掲載できる機能があります。一定の工数はかかりますが、採用コスト削減には有効でしょう。

リファラル採用を取り入れる

4番目の方法は、リファラル採用です。

リファラル採用は、既存社員からの紹介や推薦により採用する方式で、近年では中途採用を中心に実施する企業が増えてきました。リファラル採用は旧来の縁故採用とは異なり、客観的な公正さを重視していることが特徴です。紹介された候補者が本採用に至るには、試験や面接など通常の過程を経る必要があります。

この方法では紹介してくれた社員へのインセンティブだけ支払えば済みます。このインセンティブは数万円から数十万円が相場のため、外部採用媒体の利用などに比較して、コストが削減できます。また、リファラル採用は信頼性の高い人物紹介が実現しやすいだけでなく、ミスマッチのリスクも少なく、定着率も高いと言われています。

ダイレクトリクルーティングを取り入れる

5番目の方法は、ダイレクトリクルーティングです。

ダイレクトリクルーティングでは、企業の採用担当者が求職者に直接アプローチします。その主要な方法は、ダイレクトリクルーティングに特化した求人メディア、あるいはSNSを利用して声をかけるものです。採用までに時間と手間がかかり、採用担当者のリクルーティング能力も必要ですが、ミスマッチの確率が低く、自社にノウハウもためられて、採用コストも大きくカットできるでしょう。

採用プロセスを見直す

6番目の方法は、採用にかかっていたプロセスの見直しを行うことです。

採用プロセスを合理化して、必要ならば減らすことで、人件費が削減できるでしょう。採用プロセスで一番人手がかかるのは、会場やスケジュールの事前調整が必要な面接です。例えば、書類選考で大きく絞ったり、面接回数を減らして一回一回の内容に力を入れたり、動画での面接を導入したりする施策が有効でしょう。

採用のミスマッチを防ぐ

7つめのポイントは、採用のミスマッチをなくすように努めることです。

せっかく採用してもすぐに離職されてしまうと、採用活動を一から何度も繰り返さなくてはなりません。また、同僚がすぐに辞めてしまうようなことが繰り返されると、教育研修の手間と労力がかさんでしまうだけでなく、現場の士気も下がってしまうでしょう。

そのような状態を予防するための有効な方法は、自社が獲得して活躍してほしい人物のイメージを明らかにすることです。例えば、「入社後の部署や仕事は何を任せるのか」「スキルについてはどのようなものをどの程度のレベルや実務経験で要求するのか」といった想定をします。そして、それを言語化したり数値化したりグラフ化したりして見えるようにして、自社内で情報共有しておくのです。さらに、求職者に対しても採用前の時点で明確に、スキルやビジョン、仕事内容について自社の要求している人材像を伝えます。このように、求職者と自社の間に認識の違いが生じないようにすることで、採用のミスマッチは大幅に低減できるでしょう。

なお、エン・ジャパン株式会社のリサーチによると、中途採用した後に退職した人のおよそ56%は、1年以内に辞めたという結果でした。反対に、1年以上引き留めることに成功すれば、定着率が高くなるようです。

内定者をフォローして辞退を防ぐ

最後にご紹介するポイントは、内定者を取り逃がさないための対策です。

法律では、内定辞退は2週間前までできることになっています。内定者に辞退されないためには、内定後にも内定者を放置するのではなく、できれば対面、少なくともオンラインでのフォローを忘れずにしましょう。密なコミュニケーションやフォローは、「自分はこの会社に必要な人材だ」という自覚を高めるだけでなく、内定辞退や早期離職の危険を減らせるでしょう。こうしたケアは、採用コストの無駄を減らすことにつながります。

採用コスト見直しの際のポイント

最後に、この章では、採用コストを見直すときに、気を付けたいポイント3つを解説します。

採用媒体やプロセスは実数値をもとに評価する

ポイントの1つ目は、採用媒体や各プロセスの数値をよく参照して、ファクトベースで採用コストを評価することです。

人材獲得を考えるときは、どうしてもイメージや思い込みでメディアや方法を選んでしまうかもしれません。しかし、各採用媒体には得意分野があります。また、優秀な人材に出会うためには可能な限り多くの求職者と接点を持つことが必要ですが、そのためには採用の各プロセスをKPIの数値で管理することが大切です。声がけする求職者数・書類選考通過者数・面接選考通過者数・内定者数などをKPIとして、この実数値をもとに採用活動を改善することで、採用コストをより効率的に活用できるでしょう。

定期的に見直してPDCAを回す

次に、採用の項目やプロセスを確認することも大切です。

採用コストのなかで、特に内部コストの大半は人件費が占めるため、コストがどれくらいかかっているのかを見極めにくいことがあります。定期的な見直し作業によって、非効率や無駄なプロセスを洗い出して、必要ならばマニュアルを作成・改定しましょう。このマニュアルをベースにしてPDCAサイクルを回していくことで、採用プロセスの生産性が上がり、採用コスト全体の削減につながるのです。

困ったらコスト削減サービスを活用する

最後のポイントは、コスト削減サービスを活用することです。

コスト削減サービスは、人件費や通信費といった企業活動に現状でかかっている種々のコストを、総合的に改善して適正化してくれるソリューションです。プロフェッショナルによるコスト削減サービスを利用することで、業務の遂行に必要な品質と量を保持しながら、無駄なコストをカットできるでしょう。お困りの方は、ぜひコスト削減サービスのご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

この記事では、企業の採用コストを削減するために取るべき8つの対策と、採用コストを見直す場合の注意ポイントを説明しました。ご紹介したようなこれらのポイントをおさえて適切な施策を取り、採用コストを抑えながら優秀な人材を獲得しましょう。