出張費は削減できる?出張費削減の5つの方法とポイント

出張費は削減できる?出張費削減の5つの方法とポイント

最近ではWeb会議やリモートワークなどを導入している企業が増えてきています。しかし、すべての企業が一切出張を行わないようにするのも難しい話でしょう。ただ、出張経費は事前準備さえ整っていれば、部署に関係なく効果が出しやすい経費削減項目であることはご存じでしょうか。

この記事では、出張費の削減方法、その際に注意したいポイントを解説します。

出張費とは?どのくらい掛かる?

出張費は遠方の勤務地や客先を訪ねる際に発生する費用の総称です。

よく似た言葉に「旅費交通費」がありますが、こちらは旅費と交通費を経費処理するためにあります。旅費は出張などに必要な移動費や宿泊代を目的とする経費で、出張費と同義です。

出張費は、以下のような要素で成り立っています。

▼交通費

交通費は、新幹線や飛行機を利用するための費用です。タクシー料金やレンタカー費用、そして駐車場利用料なども交通費に含みます。基本的に各種交通機関の利用料金は距離あたりで設定されており、出張先が遠方になればなるほど交通費の負担が大きくなります。また、新幹線のグリーン車や飛行機のビジネスクラスの利用できるかどうかは企業の就業規則によって異なるため、確認が必要です。

 

▼宿泊費

宿泊費は出張に伴って発生する宿泊にかかる費用です。宿泊費の支給方法は「実費支給」と「定額支給」のいずれかの方法が用いられます。

「実費支給」は社員が宿泊費を立て替えて、出張後にかかった費用を精算するものです。宿泊費は経費として計上できるため、宿泊費をすべて社員に支払ったとしても企業は節税になるメリットがあります。しかし、ビジネス目的から逸脱した高額な宿泊費は経費として認められないこともあり「上限額10,000円」のように上限額が決められているケースがあるため、注意が必要です。

一方「定額支給」は、就業規則で決められた一定の金額を宿泊費として支給するものです。定額支給は、実費支給と比較すると精算にかかる手間を削減できる効果があります。一泊あたりの宿泊費は役職の有無や出張先が国外かどうかで変動し、役職がない社員の場合は国内で約9,000円、国外(北米地域)で約14,000円とされていることが多いです。

 

▼飲食費

飲食費は、出張先で会食した際にかかる費用です。出張先での取引先や支社の人間との会食が飲食費と認められ、社員の食事は飲食費にならない場合がほとんどです。しかし、社員の出張が長期に及ぶケースでは食事代の負担が大きくなるため、この後解説する「出張手当」に食事代を含むこともあります。

 

このように、一口に出張費といっても内訳の詳細を辿るとさまざまなものに分かれます。では次に、出張に関する手当やよくあるプランについて見てみましょう。

 

▼出張手当

出張手当は企業が雇用している社員や役員が、遠方で業務を行う際に企業側が支給する費用です。これは、外食や時間調整のためにかかってしまう食事代や出張に伴って必要な雑費を補う目的のほか、慰労に対する手当として支給されます。

出張手当の相場は、宿泊費と同じように社員の役職や出張先にで支給額が異なるため確認が必要です。出張手当の相場は、一般社員が国内出張した場合は約2,000円/日、役員クラスになると約5,000/円とされています。

 

▼QUOカード付き宿泊プランとは

出張の宿泊先として、宿泊予約サイトでビジネスホテル検索すると「QUOカード○○○○円付」といった宿泊プランが数多く存在します。

例えば、ある宿泊プランを利用すると1,000~3,000円ほどのQUOカードを特典として受け取ることができるとします。特典として受け取るQUOカードの料金は通常宿泊プランに加算されるケースが多く、通常宿泊プランが5,000円のところを、QUOカード1,000円付プランを利用することで宿泊料金は6,000円だったと申告することが可能です。

この際に支給される宿泊費が「実費支給」だった場合、QUOカード付き宿泊プランを利用した6,000円の領収書を精算すると、社員の手元には1,000円分のQUOカードが残ります。つまり、本来は会社の経費である宿泊費用のうち1,000円が、QUOカードとして社員に支給されたことになるのです。

では、社員が宿泊費を利用してQUOカードを取得することに問題はないのでしょうか。

宿泊費が「定額支給」であればQUOカードを取得しても問題にはなりません。しかし「実費請求」の場合は、業務上横領や詐欺の罪に問われる可能性があります。宿泊費を使って取得したQUOカードは会社の資産です。さらに出張1回あたり数千円とはいえ、年間の合計を算出したとき収益に与える影響は、決して少なくありません。

 

このように出張費用は取扱いを間違えてしまうと、経理上の問題が生じかねません。収益への影響も鑑みると、出張費用はなるべく削減した方が良いのです。

出張費の削減方法

出張にかかる費用について理解できたら、次は費用の削減方法を解説します。近年の傾向から、Web会議やリモートワークといった方法には聞き覚えがあるかもしれませんが、出張費の削減方法はそれだけではありません。

Web会議を取り入れる

Web会議は、インターネットで遠隔地の端末と接続しビデオ通話で会議ができるシステムです。インターネット接続環境とWeb会議システムをインストールしたPCやスマートフォン・タブレットがあれば、簡単に会議を実施できます。

Web会議を導入する最大のメリットは、一箇所に集まる必要がないことです。本社で開催する定期的な会議などをWeb会議に置き換えれば、全国から集まる参加者の出張にかかる費用を削減できます。

さらに、Web会議は出張の移動時間に発生する社員の人件費を削減する効果があります。当然ですが、出張の移動時間にも人件費は発生しています。新幹線や飛行機の移動中は行える業務に限りがあり、生産性が高いとはいえません。Web会議を使えば生産性が低い移動時間を削減し、社員が生産性の高い業務に当てる時間を増加させることが可能です。

リモートアクセスで現地作業を減らす

リモートアクセスを実現するためにはVPNやSSLといった暗号化されたネットワーク環境が必要ですが、ネットワークに接続されていれば、日本の社内PCから海外拠点の業務システムを使用することも可能です。リモートアクセスを導入すれば、社員が出張して遠隔地のシステムを現地で作業する必要がなくなります。これにより交通費や人件費、そして人件費削減の効果が期待できます。

さらに、リモートアクセスで自宅PCから社内と同等の業務を可能にするリモートワーク環境を構築すれば、社員の通勤手当やオフィス賃料といった固定費の削減も実現可能です。

格安航空券や回数券、早割などを利用する

飛行機を利用した移動が必要な場合、事前に出張予定を把握することで航空券にかかる費用を削減することが可能です。社員の出張予定を把握すれば、格安航空券・回数券・早割といった割安な航空券の手配ができます。

航空券を割安で手配する削減方法を導入するメリットは、営業担当者や総務・経理担当者の業務範囲で割安な航空券を手配できる点です。旅行代理店や法人向けサービスを利用しなくても、事前に出張予定が把握できていれば航空券にかかる費用の削減効果が期待できます。社員が航空券を手配する手間は生じてしまいますが、回数券や格安航空券を積極的に使用することで航空券にかかる費用を大幅に削減することが可能です。

旅行会社と法人契約して条件交渉する

旅行会社と法人契約を結ぶことで、ビジネス専用の割引運賃を優先的に利用できる場合があります。出張業務の実績を基に、各サプライヤーと条件交渉やスケールメリットを活かしたレート設定などを行うことで、航空券や宿泊費のコスト削減につながります。

出張管理サービスを活用する

出張管理サービス、BTM(ビジネストラベルマネジメント)は出張で発生する費用や業務を包括的に管理して、最適化を図るサービス・システムです。出張関連業務を旅行会社などが提供するサービスを利用して一元管理できるようになります。

出張管理サービスは、航空券や宿泊先の検索・予約、出張費の自動仕訳や会計システムとの連動、出張実績の管理などの機能が備わっており、出張関連業務を効率化することが可能です。そして、サービス導入で社内全体の出張関連業務を一元管理・可視化することで、不要な費用を洗い出して出張費の最適化を図ることができます。さらに、出張管理サービスには航空会社や鉄道会社、ホテルなどの予約サイトと連携して法人向け料金を利用できるものも存在します。

出張管理サービスなどの利用は宿泊先手配などの出張関連業務を効率化できるほか、出張者に宿泊先の手配状況が「見られている」という意識が働くようになり、自然とコスト削減へつながります。社員の意識改革にも貢献できるおすすめの方法です。

出張費削減の際のポイント

ここからは、出張費削減のポイントを解説します。その際に重要なのは、効率やルールなどの「無駄コストの洗い出しと仕組み化」です。しかし、突然大規模な削減を行っても、出張者の反発を買ってしまうかもしれません。まずは、実行できることから始めてみることをおすすめします。

効率を落とさないか注意

自社環境にとって、適切な手段かどうかを確かめることが重要です。

例えばテレワークを導入した際に、接続環境が悪い場合は音声が途切れてしまったり、映像の読み込みに時間がかかってしまったりしたら、コミュニケーションが成り立ちません。結局、出社する必要があるため「出張費削減」の意味がなくなってしまいます。

これを防ぐために、システムのトライアルや機器のデモンストレーションを行うことで、自社環境で活用できるかどうか見極めることをおすすめします。また、企業によってはFace to Faceの文化やコミュニケーションを大切にしている場合もあるでしょう。その場合はすべての会議をWeb会議に置き換えるのではなく、期首や期末といった節目となるタイミングの会議などは対面で行い、それ以外の定例会議などはWeb会議で行うなどの方法がおすすめです。

宿泊先の選び方などルールを明確にしておく

ポイント・特典付きプランなどの不正につながりやすいプランや宿泊先を予約不可能にする、宿泊金額上限を設定するなど、制限をかけることが挙げられます。また、出張費削減サービスの中には、特典付きプランを予約出来ないように設定できるものもあります。そういったサービスを利用することでもコスト削減が可能です。次に「早割がある格安航空会社などの利用」「比較的安い宿泊先や週末などの繁忙期を避けた日程調整」など、ルールを決めてしまうことも大切です。

しかし、ルールを細かくすると、急な出張がしづらくなったり、日程の融通が利かずに仕事に支障をきたしてしまったりするなどのデメリットが発生することも考えられます。いかに出張者のモチベーションを損なわずに、出張費の削減をするかが重要だと言えるでしょう。

コスト削減サービスに相談する

もう一つの削減ポイントとして「コスト削減サービスに相談する方法」があります。

コスト削減サービスであれば、コスト削減に関するプロが、出張費を含めた様々なコストの削減を提案してくれます。自社だけでは見落としがあったり、効率のよいコスト削減が難しい場合があります。そのようなときは、ぜひ積極的にコスト削減サービスを活用してみましょう。 

まとめ

この記事では出張費の解説や出張費の削減方法、コスト削減の際に確認したいポイントを解説しました。

出張費には交通費・宿泊費・飲食費・出張手当があり、実費請求の場合は特典付きプランの利用による不正行為が発生することもあります。そういったトラブルを回避するためにも、Web会議やリモートアクセスの活用、回数券・早割などで工夫したり、出張管理サービスを利用したりするなど、いくつか方法があります。その際には、ルールを設けておくことやコスト削減サービスを利用するなどの対策を行って、業務自体の効率が落ちないよう注意しましょう。