飲食店のコスト削減方法は?実施時のポイントも解説!

飲食店のコスト削減方法は?実施時のポイントも解説!

飲食店がより多くの利益を出すためには、売上を多く上げるか、コストを削減するかのどちらかが必要です。

売上もコストも営業努力などによって上下するものですが、コスト削減は今すぐに実施できる方法もあり、利益増大のために今すぐ取り組んだほうがいいでしょう。

今回は、そんなコスト削減の方法や実施時のポイントについて解説します。

 

飲食店で発生するコストは?

どの事業でも、「原材料費」や「人件費」といった「コスト」が発生します。

その発生コストは、「固定費」と「変動費」に分類できるので、以下で詳しく確認してみましょう。

 

飲食店で発生する「固定費」

固定費とは、売上の増減と無関係に発生するコストのことです。例えば、オフィスの賃料や水道光熱費などがこれに当たります。他に、固定資産税や人件費、交通費なども固定費です。

もし飲食店のコスト削減に取り組むなら、変動費よりこの固定費を優先して考える必要があります。なせなら、変動費の削減は方法が限られるうえ、商品などの質に直結するケースが多いためです。一方、固定費の削減であれば対策が豊富で、商品の質にも影響を与えません。

ちなみに、よくある固定の削減方法として、通信費や水道光熱費の契約プランの見直しや、書類のペーパーレス化などが挙げられます。使用する車両をエコカーに変えたり、レンタカーを利用したりすることも有効な手段の一つです。

 

飲食店で発生する「変動費」

変動費とは、時期や売り上げによって増減するコストのことです。例えば売上の増加にともなう仕入れ費用などがこれに当たります。他に、広告宣伝費や運送費なども変動費です。

変動費の削減方法は、外注先との料金交渉や、仕入れ先との価格交渉などが挙げられます。

しかし、これらの方法は外注先や仕入れ先など飲食店運営において非常に肝心な部分を変更することになります。場合によっては商品・サービスの質の低下を招く恐れがあるため、業者変更などの検討は慎重に行う必要があるでしょう。

 

飲食店で実践できるコスト削減方法

次に、飲食店で実践できる主なコスト削減方法をご紹介します。

 

<コスト削減①>仕入れコストの見直し

仕入れコストの見直しには、まず「何を、どこから、何のために」仕入れるのかを整理しましょう。仕入れが整理されれば、見直しの余地がどこにあるのかはっきりします。

整理の際に、食品の質が過度に低下しないかも併せて確認しましょう。低コストで高品質な食材を仕入れることのできるサービスがあれば、できる限り利用したいところです。

仕入れにおいて、仕入れ先の多くは一回の量が多いほど割引される傾向があります。現在、仕入れ先が分散しており整理できるのであれば、なるべく一つにまとめて、仕入れ量を増やすなどの工夫を施すことで、コスト削減につなげられるでしょう。

また、コスト削減の際には食品のロスを無くすことも大切です。ロスを減らすには在庫管理を徹底し、在庫を可視化することが重要です。廃棄のある食材を見つけ出し、仕入れ量を適切に管理することで、コスト削減を実現できます。

 

<コスト削減②>賃料の見直し

飲食店の家賃は、売上に対し10%以下に抑えることが理想です。これ以上の家賃を払っている場合は、賃料の見直しを検討した方が良いこともあります。家賃は売上が少なくても、休日が何日あっても毎月同じ額を支払う必要があるので、家賃を適正化は必ず行いましょう。

賃料の見直しの基本は建物のオーナーとの価格交渉で、ポイントはタイミングと期間です。

例えば、新規賃貸の場合は賃貸主にとって「借り手がいない」状態が一番の痛手でしょう。そこに注目し、借り手が見つかっていないタイミングで交渉に臨み、長期契約を交渉条件として提示することで、価格交渉がうまくいく可能性も高まります。

また、現在借りている賃貸では、価格交渉をすることで、貸主との関係悪化を危ぶむ経営者も少なくありません。しかし、そうしたときに役立つ、賃料適正化のための外部コンサルティングサービスを展開している企業もあります。コンサルティングサービスでは、現在契約している物件を法的根拠に基づいて一般の家賃相場に適正化させることができ、不要なトラブルも避けられます。

さらに、家賃を見直す際には移転を検討することも一つの方法です。お店の客層の合った立地か、築年数はどの程度かといった要素を考慮し、移転の検討も頭に入れましょう。以前の物件所有者が店内装飾や設備をそのまま残した居抜き物件を利用することも、コストの見直しになる可能性があります。さらに、物件の面積が適切であるか否かも重要なポイントです。これらを踏まえると、今よりも安い賃料の物件に移転した方がメリットの多い場合もあるでしょう。

 

<コスト削減③>営業方法の見直し

実店舗の営業縮小やデリバリーサービスの拡大など、営業方法の見直しもコスト削減につながる大切な項目です。

現在は新型コロナウイルスの影響でお客様が減少し、思うような営業ができていない飲食店も多くあります。そこで、テイクアウトやデリバリースタイルといった方法が、コロナ禍の中で浸透しつつあります。

そこで、大手デリバリーアプリ「Uber EATS」「menu」などの外部サービスを活用し、店舗規模の縮小を試みることも有効な手段になり得るのです。

 

<コスト削減④>水道光熱費の見直し

水道光熱費とは、店舗運営に必要な電気代やガス代などのエネルギーの購入にかかる光熱費と、水道料金などで構成される費用の総称です。水道光熱費の削減にも、内訳を整理しコストを可視化するといいでしょう。どの費用に多く料金が掛かっているのかを把握することで、対策を検討できます。

例えば飲食店のキッチンでは、毎日調理を行うためガス代や水道代が掛かります。また、店内はお客様に快適に過ごしてもらうために冷暖房が欠かせません。照明も必ず必要で、電気代も安くはないでしょう。そこで、スタッフ全員にコスト意識を持たせることで対策します。「無駄に水を使いすぎない」「部屋の電気はこまめに消す」など、意識を一人ひとりが持てば、水道光熱費を無駄遣いすることもなくなるでしょう。休憩所に張り紙をしたり、ミーティングで周知したりして、節約意識を持たせるようにしてください。

その他、食洗器の導入もまた節水に役立ちます。手洗いの約8分の1程度の水量で洗えるため、水道代の節約につながるうえに、大量の食器を短時間で綺麗にできるでしょう。

また、自治体ごとに異なりますが上下水道料金の減免制度を利用できる可能性があります。減免制度を活用することで、水道代を大幅に削減できるため、役所に聞いて積極的に利用しましょう。

さらに電気代は、電気会社によってプランも沢山の選択肢があります。改めて現在のプランを見直して、自社の使い方に合わせたサービスを選択することで、コストを削減できるでしょう。

 

<コスト削減⑤>人件費の見直し

飲食店のコスト削減において、人件費の見直しも大きなポイントです。

しかし、人件費削減を無闇に行ってしまうと、社員負担の増加や削減目標の不達成などにつながる恐れがあります。人件費の見直しを図る際は、以下の二つの項目に気をつけましょう。

一つは段階的にコスト削減を進めることです。いきなり大きい削減策を取ったほうが、コスト削減につながると思う方もいるかもしれません。しかし、大きなコスト削減を一度に行うと、管理体制に支障をきたしかねません。それにより起こった問題がさまざまな部分で出てしまい、対処できない事態に陥る可能性もあるでしょう。特に、人件費の削減は利害関係者の多い費目なため、問題が起こりやすい事実があります。

例えば、業務削減で担当者を異動する場合、後戻りができません。作業内容の留意点が引き継がれない場合、一から業務を再開する必要があり、異動した人も元部署に戻りサポートしなければならず、本業務に集中できません。

このような事態を防ぐためにも、継続的、段階的にコスト削減を検討し、少しずつPDCAを回しながら無理なく削減していきましょう。

もう一つは、業務量の削減から始めることです。「人件費の削減」はあたかも人を減らす「要員の適正化」と考えがちです。しかし、人員を減らすと一人あたりが請け負う業務リソースの比重が増え、逼迫してしまいます。そこで「業務量を適正化」し、それに応じた要員計画を立てることが大切です。業務ごとに優先順位をつけ、順位の高い業務から人員を配置し、負荷を適正分散させることで人件費のコスト削減を実現できるでしょう。

例えば、50人が100個の業務を一日にこなしているとして、これを40人に減らすと、一人当たりの業務は増加して負荷が高くなります。一方で、100個の業務のうち重要な業務として80個に減らすことができれば、一人当たりの業務数を変えずに人件費を見直すことができます。

 

飲食店のコスト削減ポイント

飲食店において、「儲け」を伸ばしていくには二通りの方法があります。一つは売上を伸ばすこと、もう一つはコストを削減することです。以下では、コスト削減を検討する際に絞り、ポイントを解説します。

 

発生コストを正しく把握する

多くの企業は店舗の最適化を図るために、さまざまなコスト削減の取り組みを行っています。しかし、闇雲にコスト削減をしても効果は挙がりません。コスト削減に取り組む前に、コストがどれほど発生しているのか、正しく把握することから始めましょう。

会社経営時に発生するコストの種類には、「オフィスコスト」「エネルギーコスト」「オペレーションコスト」の3つがあります。オフィスコストとは、オフィスの賃料やメンテナンス料、人件費などオフィスの運営に関わるコストです。文房具や雑費などもオフィスコストです。そして、エネルギーコストは水道ガス電気代など毎月発生するコストを指し、オフィスで仕事をするためにゼロにできません。最後に、オペレーションコストは広告費用や商品ロス費用などに発生するコストで、飲食店経営で一番多くの費用を占めます。

おすすめのコスト削減案は、一番費用のかかるオペレーションコストや冒頭でご説明した固定費からじっくり見直すことです。

 

従業員の理解を得る

コスト削減プランを策定したあとはいよいよ実行に移りますが、実行には必ず従業員の理解を得ることが重要です。関わる全ての人に「なぜコスト削減が必要なのか」ということをしっかりと説明し、情報を事前に共有することが好ましいです。

例えば、コスト削減に伴っていつも使っていた備品・経費がいきなり使えなくなれば、従業員のモチベーションが下がってしまう可能性があります。経営層は従業員の理解と納得を得られるよう、努力を怠らないようにしましょう。

 

クオリティを下げない

コスト削減によって、飲食店の命とも言える料理の質が落ちたり、お店の雰囲気が悪くなったりしては本末転倒です。食材費を抑えすぎると「美味しくない」とお客様をガッガリさせてしまい、リピーターも離れかねません。クオリティを維持しながらコスト削減できる方法を探しましょう。

例えば、「メニュー数を絞る」「食品ロスを減らす」「仕入れ先を見直す」といった解決策が挙げられます。メニュー数が多いほど仕入れる食材が増え、仕入れ費用も高くなります。そのため、売れ行きの悪いメニューは精査し、看板メニューに注力することでコストの削減を図りましょう。また、新メニューも既存メニューと同じ食材で作れるものにすると、仕入れ費用を抑えられます。

そして、食品ロスを減らしてもコスト削減が可能です。食材がきっちり無くなるように仕入れ量に気をつけたり、賞味期限シールを貼って日付の近いものから使ったりすることで、ロスなく食材を使用することができます。また、仕入先卸売業者に値引き交渉することも一つの方法です。複数の業者と比較し、質を担保できる範囲内の安い事業者から仕入れて、コストを削減してみましょう。

 

まとめ

ここまで飲食店におけるコスト削減をテーマにご紹介しました。

儲けは売上からコストを引いたもので、コストを削減することで儲けを多く出すことができます。コスト削減を成功に導くためには、スタッフのモチベーション維持など注意する点も多く含まれ、削減方法も沢山の種類があります。

削減の方法を考える際には、一つの削減方法で大きく削減を狙うのではなく、それぞれの方法を見比べてトータルとしてコストが下がるよう考えるといいでしょう。

コスト削減によって、営業に支障をきたしては本末転倒です。売上を上げる努力をしつつ、コスト削減にも取り組めば、結果として儲けという分かりやすい数字で表れます。

まずはできることからコスト削減に取り組み、無駄のない飲食店運営を目指してください。