中小企業が実施すべきコスト削減とは?具体的な方法とポイントを解説!

中小企業が実施すべきコスト削減とは?具体的な方法とポイントを解説!

近年はさまざまなビジネスが生まれ、企業のあり方も日々変化しています。事業を推し進める上で、ヒト・モノ・カネを動かすためのコストは必要不可欠です。そして、そのコストをできるだけ抑えることで、予算を効率的に活用できます。

本格的なコスト削減は、多くの人員・ビジネスを抱える大企業だけのものに聞こえがちですが、実は中小企業こそ実施すべきことなのです。

今回は、中小企業において実施すべきコスト削減とその方法について詳しく解説します。自社のコスト削減に悩んでいる方や新しい方法について模索している方は、ぜひ参考にしてください。

 

中小企業におけるコスト削減について

中小企業ではコスト管理一つで売上が大きく変動するため、「売上最大化と経費の最小化」を同時に進めることが大切です。日本の中小企業における売上高経費率は極めて高く、少しの削減でも長いスパンで見れば大きな効果が見込めます。小さなコストだからと言って後回しにしてしまうと、本来先行投資や人材雇用のための資源を確保し損ねる可能性があります。

したがって、会社経営において売上を伸ばすことと同じくらい、経費を小さくするように努めることが重要なのです。

しかし、目についたコストを闇雲に削減していくことは賢明とは言えません。適切なコスト削減を行わないと、削減する必要のない経費まで削ってしまい、かえって社員のモチベーションを下げてしまう可能性もあるでしょう。

社員のモチベーションを下げないためには、各部署の業務内容と、そこで働く社員の実情を考慮し、あくまでも働きやすさを阻害しないように進めなければなりません。

 

中小企業はコスト削減を進めやすい?

「本格的なコスト削減は大企業がやるべきことで中小企業は関係ない」と考える方も少なくありません。先ほどもお話したように、コスト削減を進めるためには各部署をまたいで社員の実情を把握し、管理者に働きかける必要があります。

大企業では多数の部署があり、働きかけに多大な時間がかかるケースが多い一方で、中小企業であれば大企業と比較してスムーズに取り組みを働きかけることが可能です。そのため、中小企業はコスト削減を進めやすい環境といえます。

失敗しないコスト削減実現のためには、経費の分類集計・適正判定・対象選定・リスク検証を行い、年計金額の大きい部分を優先的に対象にしていくとよいでしょう。

 

中小企業が実践すべきコスト削減

「売上に対して利益が伸びない」「どこからコストを削っていいのか分からない」と悩んでいる方のために、どのようにコスト削減を進めていけばよいのか詳しく解説していきます。

 

身の回りの経費削減

コスト削減をスピーディかつスムーズに始めるためには、身の回りにある身近な経費の削減から着手するとよいでしょう。

中小企業では事務用品や通信費をはじめ、水道光熱費・賃借料・リース料・交通費・事務用消耗費・人件費、そして会議費などの運営経費があり、その中から年計金額の大きい順、もしくは年度予算対比を参考に削減していくと効率的です。

身の回りのコスト削減に取り組む際は、席が近い社員同士で数人のグループを作り、日々業務の合間にブレインストーミングを行うのもよいでしょう。気付いた無駄な作業や経費の洗い出しや対策を模索する習慣をつけると、地に足を付けた堅実な削減プランを策定できます。

その他にも、コスト削減に影響する業務のマニュアル化を促進する方法も有効な手段です。しかし、マニュアルを遵守して初めて効果が得られるので、新入社員が読んでもすぐに分かるような内容にしなければ、余計な手間が増えてしまうため注意しましょう。

 

ペーパーレス化の推進

十数年前までは、会議ごとに紙の資料を何枚も作成したり、社内の資料を紙で統一したりする「紙至上主義」が当たり前でした。しかし近年では、急速にペーパーレス化が進んでおり、中小企業のコスト削減に大きく貢献しています。

重要資料や給与明細に紙を使用していると、不要になった際にシュレッダーにかけるか熔解化するかといった手間とコストが発生しています。

一方で、ペーパーレスにシフトすることで、それらの手間をはじめ、逐一プリントしたりホッチキスで止めたりといった小さな手間やコストが省けるため、コスト削減だけでなく資料作成時間削減にも効果的です。

企業の重要情報をデータ化し、サーバ上で厳重に保管することで、資料の持ち出しや改ざんを未然に防ぐことができるといったメリットもあります。このようにペーパーレスにするだけで、さまざまな効果を享受できるのです。

 

クラウドPBXの導入

クラウドPBXとは、PBXをインターネット上から利用することができるサービスの総称です。従来のPBXであれば、配線工事や交換機の設置などで大きなコストが発生していました。クラウドPBXにすることによって、場所を問わず安価で電話環境を構築できるメリットがあり、コスト削減に大きな効果を生みます。

発着信も含めてインターネット上ですべて管理できるので、電話機を用意する必要もなくなり、固定費をさらに削減できます。

また、顧客の問い合わせに応じて自動音声で応対し、適切な担当者にアサインすることで取り次ぎ時間を削減するIVR機能など、さまざまな便利機能が搭載。コスト削減だけでなく業務効率・サービス品質向上にも寄与します。

 

エネルギーコストの削減

ここまでは、ペーパーレス化やクラウドPBXの導入など、見直し要素の強いコスト削減方法についてご紹介しました。ここからはエネルギーコストに焦点を当てて解説していきます。現在、企業の消費電力は、コスト面だけでなく環境面から見ても大きな課題になっています。そのため、SDGsやCSRの観点からも、エネルギーコストの削減に寄与する企業は徐々に増えてきているのです。

中小企業のエネルギーコストの比重を占めるのは主に電気代ですが、その他にも、設備の寿命を伸ばすために油圧管理を徹底したり、潤滑油・機械油を見直したりといった方法でコストパフォーマンスを向上させることもできます。

 

従業員の意識改革

エネルギーコスト削減のためには、社員一人ひとりの意識改革が必要不可欠です。そのため、使っていない電気は消す、冷暖房を強め過ぎないなど、電気代削減のための詳しいルールを設けて周知しておくとよいでしょう。

特にこれらの意識は日常的な啓蒙が重要なため、省エネにテーマを絞って意見を出し合う習慣をつけたり、取り組みを習慣化したりすることで、エネルギーコストも自然と削減されていきます。

中小企業であれば、大企業に比べ社員が団結してコスト削減に取り組んでもらいやすく、省エネに向けた取り組み自体も着手しやすいため、何から始めるか迷っている方はエネルギーコスト削減に注目しましょう。

また、電力消費の推移を社員全員が見られるようなツールを導入すれば、自分たちが社内のコストカットに貢献しているという自覚が芽生え、より一層、省エネへのモチベーションが高まります。

 

新電力への切り替え

2016年4月から電力自由化が解禁されました。電気の小売業への参入が全面的に可能になる以前は、地方電力から電気を購入することが当たり前で、多くの企業に莫大なコストがのしかかっていました。

しかし、自由に小売りができるようになったことで、使い勝手や品質は変わらないまま、電気代を抑えられる「新電力」が徐々に浸透しています。企業によっては、スマホプランのように使用量に応じてさまざまな割引がある企業もあり、エネルギーコスト削減にも大きな効果が期待できます。

また、電気代が安くなるだけでなく、ガスとセットでさらに安くなったりポイント還元があったりと、電力会社によってさまざまなメリットがあります。現在大手電力会社から電気を購入しているという方は、新電力への切り替えも視野に入れましょう。

 

IT化によるコスト削減

現在人の手で行っているさまざまな業務は、ITツールを導入することで削減できる場合があります。

ツールやシステムの導入コストを考えても、その後社員があらゆる仕事に集中できたり、人件費や移動費をカットできたりと、中長期に見ればメリットのほうが圧倒的に多くいため、積極的にIT化を進めましょう。

ここからはIT化を進めるために、具体的にどのような施策が必要なのかをいくつかご紹介します。

 

現在導入しているITシステムの見直し

IT化のコスト削減で大切なことは、まず導入しているITシステムの見直しです。現在、多くの中小企業で活用しきれていないシステムにコストを充てていたり、導入システム数をすべて把握できていなかったりと、ITに疎いばかりに多くのコストを無駄に支払っているケースがあります。

「導入しているシステムは本当に必要なのか」「他に自社に合ったシステムやツールはないのか」を見直すことは非常に大切です。まずは、現在導入されているITシステムがしっかりと機能しているかどうかを確認し、その上で最適化していきましょう。

これらの取り組みを主軸に、自社の業務に適さないアプリケーションやデータベース、契約プランを見直すことで、費用対効果を高められます。一方で、不要なシステムの契約プランを変更したり、購入先から詳しい活用方法を確認したりすることで有益になる場合もあります。

 

新しいシステムの導入

AIやチャットボットなどに任せたほうが効率的な仕事であっても、それらの仕事の多くは未だに人の手で行われているのが現状です。ITシステムを新たに導入することで業務の効率化につながり、残業代を大幅にカットできる可能性があります。

中小企業庁の「中小企業における ITの利活用」によると、調査対象のすべての業種において、IT投資をしたことが、投資したことのない企業の売上高を上回っており、業種によっては2倍以上の成果を発揮しています。

このことからも、システムに仕事を任せることで、社員は生産性の高い仕事に従事することができ、会社全体の売上にも大きく貢献できるということが分かります。システムを新たに導入する際は、導入方法のメリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。

 

テレワークによるコスト削減

現在新型コロナウイルスの影響で業種を問わず、テレワークを導入する企業が急激に増加しています。テレワークの導入によって、さまざまな費用が大幅に削減されるため、コスト削減の手段としては非常に有効です。

ここからはテレワークを導入するメリットを2つほどご紹介します。

 

オフィスの縮小

テレワークを導入することで、在宅勤務している社員の人数分オフィスの縮小が可能です。コロナ渦でさまざまな働き方改革が求められる中、オフィスの在り方や価値にも少しずつ変化が生じているため、テレワークを導入している企業の多くはフリーアドレス制を導入して大幅なコスト削減に成功しています。

現在のように、出勤の必要性がないような状況が続くと、大規模なオフィスの必要性も同様になくなります。

また、オフィス縮小だけでなく地方に映したり、サテライトオフィスを設置したり、コワーキングスペースを活用したりと、さまざまな手段を採用する企業もあります。

 

交通費の削減

オフィスを縮小する以外にも、テレワークには社員の交通費を削減できるといったメリットがあります。中小企業であっても、仮に全ての社員が在宅勤務で通勤手当を実費支給に切り替えれば、大幅なコスト削減効果が見込めるでしょう。

一方で、もともと交通費は通勤に必要な労働の対価として支払われているため、労働基準法において、交通費は社会保険の報酬額に含まれることに注意する必要があります。したがって、交通費を実費切り替えにする場合は、コストメリットを正確に把握しましょう。

 

中小企業がコスト削減を行うには?

最後に中小企業がコスト削減を行うにはどのような方法があるのかご紹介します。

 

自社で行う

外部に委託せず、自社内でコスト削減に取り組むこと方法があります。委託コストを考えた場合、自社内で進められる場合は、社員で取り組むのが効率的なケースもあります。 

工数はかかるものの、削減のためのアクションにおいてトライ&エラーで得た知見や、その結果構築した運用は企業に残り続け、今後も持続的なコスト削減が可能になります。

一方で、コスト削減までに工数がかかると予想できる場合は、外部へ委託したほうがかえって効率的です。

 

コスト削減サービスに依頼する

外部のコスト削減サービスに依頼する形で、コスト削減に取り組む方法もあります。一般的な方法ではありますが、固定報酬型の場合であれば相場は3ヶ月で約3,000万円~5,000万円と高額なため、中小企業にとってはあまり推奨されません。

しかし、成果報酬型の料金形態であれば、成功時のコスト削減額の何割かを支払う形式をとれるため、比較的ローリスクで始めることができます。 コスト削減額が報酬を下回るということはないため、中小企業であっても選択の価値がある方法と言えるでしょう。

 

まとめ

今回この記事では、中小企業が実施すべきコスト削減について、ポイントなどを踏まえていくつかご紹介しました。コスト削減は、決して一朝一夕で大きな成果が出る取り組みではありません。そのため、中長期的かつ客観的な視点を持ってコスト改善に着手しましょう。