間違ったコスト削減がもたらす問題とは?やってはいけないコスト削減

間違ったコスト削減がもたらす問題とは?やってはいけないコスト削減

少しでも利益をアップさせようと、コスト削減施策を実施している企業は少なくありません。しかし、コスト削減を闇雲に行ってしまうと思わぬトラブルが発生してしまう恐れがあります。慎重にコスト削減を行わないと売上の低下や従業員の離職などを招く恐れがあります。

そこでこの記事では、間違ったコスト削減の方法と回避方法、推奨されるコスト削減方法について紹介します。

 

間違ったコスト削減の例

コスト削減にはさまざまな方法がありますが、なかには間違った方法も存在します。間違ったコスト削減を行うと自社に大きな損害が及ぼしかねません。これからご紹介する、避けるべきコスト削減方法の具体例を参考に、自社で行っている施策を振り返ってみましょう。

 

製品・サービスの品質を下げる

まず、間違ったコスト削減方法として挙げられるのが材料費の削減などの方法です。原価を抑えて提供する製品やサービスをできるだけ安く作ろうとする方法は、製品・サービスの品質低下に直結する問題を引き起こしかねません。

全く同じ品質のまま価格だけ安く仕入れられる方法であれば材料費を賢く削減できます。しかし、品質を犠牲にして安い材料に変更して製品を作ったり、サポートの工数を減らしてサービスを提供したりすると、コスト削減は期待できますが品質が低下してしまいます。

その結果として、お客様からの信頼を失って、顧客離れが進んでしまう事態も発生しかねません。材料費の削減は短期的には非常に効果があるコスト削減方法ですが、ビジネスにおいては推奨されない方法です。材料費に限らず製品やサービスの品質に関連する費用のカットは大きなリスクがあると認識しましょう。

 

安易な人件費を削減する

過剰に人件費を削減するとさまざまな問題が発生します。例えば、従業員の基本給が減って従業員満足度が低下したり、サービス残業が多発したりするのが代表例です。また、基本給や残業代など給与に直接影響を及ぼす費用を削減すると、従業員の士気も著しく低下しかねません。結果として従業員の離職に影響する恐れもあるため、軽視できない問題でしょう。

また、従業員を減らしても仕事の量が変わらなければ、残った従業員で残業を行う必要があり、企業は残業代を出さなければなりません。人件費の削減で労働環境が悪化しないように、慎重に検討しましょう。

 

従業員のモチベーションを低下させる

コスト削減で特に考慮しなくてはならないのが、従業員の士気に強い影響がある点です。コスト削減で従業員の士気が低下してしまっては企業の生産性に直結する問題に発展しかねません。場合によっては生産性の低下だけでなく、優秀な人材の流出に繋がる可能性があります。

空気清浄機やウォーターサーバーなどの設備、手厚い福利厚生や便利で清潔なオフィスなどは従業員のモチベーションをアップさせます。一方、こうした設備や福利厚生が手厚過ぎるように感じて、コスト削減の対象として挙げられてしまうケースも少なくありません。企業の経営に直接関係しないと思われる項目であっても、従業員の士気を下げてしまうようなコスト削減は慎重に対応しましょう。

 

会社やブランドの信用を下げる

経費削減によって、会社やブランドの信用を損なうような事態が発生しては本末転倒です。せっかく積み重ねてきた会社の信用やブランドは維持していかなくてはなりません。

例えば、人材や会社の建物、大きな広告などがあります。「あの従業員が勤めている」「あんなに大きな本社ビルがある」といった形で、周囲の人々からの認知が高まり信用は生まれます。

しかし、闇雲にコストを削減する一環でリストラや工場の閉鎖、看板の撤去などを行うと、会社やブランドの信用を損なってしまうかもしれません。自社の信用やブランディングにどういったものが影響しているかを見極めたうえで、必要なポイントには引き続き予算を捻出しましょう。

 

中長期的な利益を無視する

経営のひっ迫が深刻な場合は短期的な利益を優先したコスト削減も必要ですが、そうではないのに中長期的な利益を無視したコスト削減は避けましょう。最も分かりやすい例として研究開発費が挙げられます。研究開発には費用がかかりますが、そう簡単に結果は出ず、現在行っている研究が利益に繋がる保証もありません。そのため、目の前の利益を優先し、コストを削減するために研究開発費を削ってしまいたくなるでしょう。

しかし、現在の世の中は変化が激しいため、新しく価値のある製品やサービスを生み出せなければ中長期的に利益が減少してしまう恐れがあります。未来への投資を渋ってしまっては、将来的なリターンは得られません。

 

業務に使用する機器のスペックを下げる

業務で使用する機器は、業務を効率良く行うために大切な要素です。しかし、いくらコスト削減のためだからといって、「新しく購入するパソコンのスペックを落とす」「タブレットの支給を取りやめる」といった方法によるコスト削減には注意が必要です。業務効率が落ちてしまい売上が低下する原因となる可能性があります。

また、職場の利便性などの低下によって、従業員の不満が募れば士気の低下も考えられます。コスト削減を行うのは必要以上のスペックや使っていない機能に対してのみ行い、必要なレベル以下に落とさないようにしましょう。

 

メンテナンスを怠る

事務作業で使用するパソコンやプリンタなどの機器やエアコンなどの空調設備を安全に故障なく使い続けるためには、定期的なメンテナンスが必要です。しかし、正常に動くからメンテナンスを怠ってメンテナンスの回数を減らす、先延ばしにするなどの方法でコスト削減を行うことは注意しましょう。

メンテナンス不足で払う必要のなかった急な修理費が発生したり、機器や設備が壊れている間作業が止まって売上が損なわれたりといったトラブルが発生する恐れがあります。特に、事業の生命線となる商品の製造機器などの定期メンテナンスはコスト削減せずにしっかりと行いましょう。

 

根拠なしに思いつきでコストを削減する

現在行おうとしているコスト削減の明確な理由や具体的な効果を説明できない場合は、プランを再考しましょう。コスト削減は、根拠なしに思いつきで行って効果が出るものではありません。きちんとした根拠に基づいたコスト削減でなければ、自社にとっての利益が生まれないか、場合によってはマイナスになってしまう可能性もあり、何よりも従業員の理解を得られません。さまざまなアイデアを出してコスト削減を検討することは良い取り組みですが、仮説と検証などのステップを忘れずに行うようにしましょう。

 

間違ったコスト削減を避けるには?

これらの間違ったコスト削減を避けるには、どのような方法を取ればいいのでしょうか。コスト削減を間違わないよう、確認すべき点を4つ紹介します。

 

何事もやり過ぎに注意

コスト削減の際には、極端に人件費を削減する、備品や消耗品に使用制限をかけるといったコスト削減が行き過ぎてしまわないように注意しなければなりません。コスト削減が行き過ぎた結果、労働環境が悪くなる、従業員の士気が下がるといった要因で生産性が低下し、売上の損失に繋がってしまっては元も子もありません。

さらに、不満が募って従業員が離職してしまうといった事態も起こる可能性があります。コスト削減の際には、従業員の士気の維持に努めるようにしましょう。従業員から理解を得られない無理なコスト削減は避けることが鉄則です。

 

人の育成や研究開発に関するコストは削減しない

人材育成のための費用や研究開発費など、中長期的な利益をもたらす将来への投資をやめることも、経費削減では避けるべき項目です。中長期的な利益を見据えて行う投資はビジネスで大切な事項であり、これを推進しないと短期的に利益が上がっても年を追うごとに会社の利益が目減りします。人材育成の費用や研究開発費は中長期的な利益をもたらすため、コスト削減を行うなかでも今まで通りに行うか増額を検討しても良いでしょう。

 

製品・サービスの質に関するコストは削減しない

製品の原材料の質を下げる、サービスのサポートの回数を減らすなど、製品・サービスの質に関するコストは削減しないことをおすすめします。製品やサービスの質は企業のブランドの価値を支えている大切な要素です。これらの方法でコストが削減できたとしても、お客様からの支持を失って売上が低下しかねません。製品もサービスも質が悪いという印象を持たれてしまうと信頼回復も困難になります。コスト削減をするときには、製品やサービスの質を保って、売上を下げない工夫を行う必要があるでしょう。

 

コスト削減サービスを活用する

どうしてもコスト削減が自社だけでは難しい場合は、コスト削減サービスの利用も検討してみましょう。コスト削減サービスとはコンサル会社などが提供するプロフェッショナルによるサービスです。

コスト削減は容易に行える作業ではなく、製品やサービスの品質の維持など配慮すべきポイントも多く、手間と時間がかかります。社内でコスト削減を実施する際は、通常業務とコスト削減施策の両立が必要なため負担も軽視できません。

そこで、専門のコンサルティング会社に依頼すれば、自社での負担を大きく削減しながらコスト削減を達成できます。多くの場合コンサルティング会社は一貫したコスト削減サービスを提供しているため、工程のほとんどを任せられます。定期的なコミュニケーションは必要ですが、自社の現状を正確に伝えられればコスト削減を効率的に行えます。本業に集中しながらコスト削減も達成できることは、専門の会社に依頼する大きなメリットでしょう。

さらに、コンサル会社に依頼すればコスト削減の専門家としての視点で対応方法を提案してもらえます。自社では気づけなかったようなポイントや項目のコスト削減を、業務品質をなるべく落とさずに行えます。コスト削減に割くリソースが少ない方、より本格的に業務などの見直しを行いたい方などはコスト削減サービスの利用を検討してみましょう。

 

本当にやるべきコスト削減とは?

これまでは、企業が行うべきでない間違ったコスト削減について紹介してきました。3章では企業が本当に行うべきコスト削減について解説します。ぜひコスト削減方法を検討する際の参考にしてください。

 

業務効率改善に伴うコスト削減

一度すべての業務を洗い出したうえでオペレーションを改善できれば業務の効率化とコストの削減の両方を達成できます。業務に無駄が目立つと人件費や物流費などがかさみます。少しでも効果的にコストを削減するためにも、テレワークを採用する、不要な業務を減らす、業務改善システムを導入するなどの方法でオペレーションの改善を図りましょう。

業務の効率化を実現できれば残業が減り、残業代の削減も行えます。特に、テレワークの導入は効果的な方法で、従業員の通勤費を削減やオフィスのスペースの見直しなどが可能です。ほかにも、商談などもオンライン化ができれば移動や手土産などにかかるコストをカットでき、より効率的に業務を進められます。

また、人数が多過ぎる、もしくは少な過ぎるといった問題も、改めて適正な人数を再検討すれば業務改善できます。ただし、極端な人員削減は残業の増加を招き、かえって人件費を増加させてしまいます。人数の再検討の際は人員削減に頼り過ぎないように注意しましょう。

 

人やサービス・製品に直接関わらないコスト削減

人や製品・サービスに直接関わらないところでのコスト削減の実施が効果的です。例えば、クラウドの活用を検討してみましょう。自社のサーバー運用をクラウドに切り替えれば、自前のサーバーやハードウェアを揃える必要はありません。電気代や設置場所などの費用、運用・監視のための人件費もカットできます。

また、電気代は2016年4月から「電力小売全面自由化」がスタートし、より安い電力会社に切り替えられるようになりました。契約しているプランを見直せれば月々の固定費用を削減できるので、継続的にコスト削減を実現できます。

ほかにも、文書を電子化するペーパーレス化を進めれば紙やインク代のコストカットだけでなく、備品の管理や更新の手間を省くことが可能です。人員削減やサービス内容の見直し、商品の材料の変更などを検討する前に、コスト削減で工夫できるポイントはないか検討してみましょう。

 

まとめ

コスト削減は多くの企業が取り組んでいますが、間違った方法や慎重に検討すべき項目が存在します。企業をより良くしようとして行ったコスト削減でも、商品やサービスの品質を低下させたり、従業員のモチベーションをダウンさせて離職に繋がったりするリスクがあります。コスト削減を行う際はこの記事で紹介した間違ったコスト削減の具体例や注意点を確認しながら、コスト削減を行うべき項目を慎重に判断しましょう。また、コスト削減サービスはプロの視点から効果的な方法を提案してもらえるので、有効に活用することをおすすめします。